- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県いなべ市
- 広報紙名 : いなべ市情報誌 Link 2025年4月号(vol.257)
◇3-4【福祉委員会と地域づくり】
いなべ市では、住民主体による互助の体制を構築するため、自治会単位での「福祉委員会」の設置を勧めています。福祉委員会では、民生委員児童委員や自治会、老人会の役員など、地域で福祉活動を担っている人々が集う機会を創り、地域の課題を把握し、解決に向けた話し合い、見守りや支え合いの活動を協議しています。さらに、生活支援コーディネーターが中心となって、ボランティア活動団体や支え合い応援企業などの関係機関とのネットワークを作り、支え合える地域づくりを進めます。
令和7年1月末現在、市内118自治会のうち65%の77自治会が福祉委員会を設置し、検討中の25自治会を加え、約9割の自治会で活動が始まっています。
◇3-5【重層的支援体制の強化】
国の福祉制度は従来、こども、障がい者、高齢者といった対象者の属性や、要介護、虐待、生活困窮などのリスクごとに制度を設け、支援体制を構築してきました。しかし、個人や世帯を取り巻く環境の変化により、生きづらさや課題が多様化、複雑化していく中で、国は制度を改め、相談支援の相互連携の強化と、社会とのつながり、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する「重層的支援体制」の構築を進めています。
幸い、いなべ市は以前より、相談支援に携わる人々の相互連携や各自治会の福祉力が強く、福祉委員会も多くの自治会で取り組んでいただいています。人々が住み慣れた地域で世代や分野を超えてつながり、生きがいを持って、自分らしく暮らしていけるよう、地域の人々が支え合いながら創り出す「地域共生社会」の実現を目指します。
生活の中で困難や生きづらさを抱える人への「相談支援」や社会から孤立している人を社会活動に誘う「参加支援」、そして、生活の基盤となる「地域づくり」の取組をさらに推進します。
◇3-6【元気づくりシステム】
いなべ市に「元気づくりシステム」が誕生して21年目を迎えます。このシステムは、ストレッチ体操やウォーキング、ボール運動を取り入れた健康増進、介護予防体操を、地域の皆さまが主体となって取り組む体制を支援するものです。
拠点コースは市の体育館で元気クラブいなべの職員がコーディネーターとなって週2回、1回2時間程度の運動を実施しています。また、地域の皆さまが集まりやすい地元の集会所に職員が出前して実施する集会所コースや、地元の元気リーダー(約1,000人)が中心となって、週2回、市内80カ所の地元の集会所で行う元気リーダーコースがあり、市民の皆さまが自主的に運動に励み、健康増進に努めていただいています。
◇3-7【医療費抑制以上の生きがいづくり】
元気づくりシステムに参加している人の年間医療費の平均約34万円で、参加していない人の年間医療費の平均約45万円と比べて、約11万円も低額となっており、医療費の抑制効果が出ています。
また、元気づくりシステムの参加者にアンケートを行ったところ、自分の健康のためだけにとどまらず、やりがいや生きがい、幸福感につながっているとの回答が多く寄せられました。今後とも、新たなリーダーの育成と参加の啓発を進め、市民の健康寿命の延伸を図ります。