くらし 度会町水道事業 水道料金改定を検討

■将来にわたって安全・安心な水をお届けするために
約60年にわたり水道水を各家庭などにお届けしている度会町水道事業。
施設の老朽化や水需要の低下により収益の増加が見込めない状況で、今後も安全で安定した水道水を提供し続けるためには、料金の見直しが必要な状況です。
今月号では、水道事業の現状と課題、そして今後の取り組みについてご紹介します。

◆水道事業の概要
当町が管理する主な水道施設は、水道水の源となる「水源地」および水道水をつくる「浄水場」がそれぞれ4カ所、処理した水道水を一時的に貯めておく「配水池」が5カ所あります。
また、水道管の総延長は約129km(口径50mm以上:令和4年度実績値)にも及びます。
私たちの生活に欠かせない重要なライフラインの一つである水道事業ですが、現在、いくつかの課題を抱えています。

◆抱える課題
○減少する給水人口
我が国の人口は2008年にピークを迎えてから減少し続けており、2050年以降には1億人を下回ることが予測されています。当町も例外ではなく、このまま人口減少が続けば、令和20年度の給水人口は令和5年度の実績値(7,653人)のおよそ78%(5,967人)となる見込みです。そのため、このままでは、将来の水道料金収入の減少は避けられない状態といえます。

○水道施設の老朽化に伴う更新費用
水道管の法定耐用年数は40年と定められています。耐用年数を過ぎた水道管をそのまま使い続けると、漏水などが起こるおそれがあるため、古い管は順番に新しい管へ取り替えていく必要があります。
また南海トラフ地震などの災害に備え、施設の耐震化も併せて行っていかなければなりません。
当町の水道をこの先も維持し続けるために、既設のすべての水道管と施設などを法定耐用年数で更新した場合にかかる費用は、年平均約4億円の投資額が必要と試算されています。また、これらの設備をなるべく延命して使用しながら、法定耐用年数の1.5倍で更新した場合でも、年平均約3億円が必要と推定されています。
近年の水道料金収入が年間1億3~4千万円であることから、3億円の更新費用を確保することは現実的に難しく、健全な経営が持続できない可能性があります。

◆課題の解決に向けて
令和5年度に策定された「水道事業ビジョン」および令和6年度に策定された「水道料金適正化計画」の中で設定した下記の事業計画は、重要度や優先度を考慮したものとなっています。これは、災害発生時の被害を最小限に抑えることを目的としており、まずは配水池や緊急用貯水槽で供給する水道水の確保を行い、中心となる水道管の耐震化を優先的に進めていきます。
この事業計画から算出した今後15年間の更新費用はおよそ22億9千万円、年平均約1億5千万円となっており、現行料金のまま事業計画に沿って実施していくと、毎年1~2千万円の不足が生じ、令和13年度から赤字経営となってしまいます。

○事業計画
令和6年~令和20年 事業費計 22億9千万円(年平均1億5千万円)

◆水道料金の改定を検討
このような現状と課題から度会町水道事業では、将来にわたって皆さんに安全・安心な水をお届けするため、令和8年5月(4月使用分)から水道料金の改定を予定し、現在検討を進めています。
今後、広報紙やホームページなどに改定率などの詳細情報を掲載していきますので、ご一読いただきご理解ご協力のほどよろしくお願いします。

○今後のスケジュール

※重点支援地方交付金を活用し、令和7年2月支払分から基本料金を減免しています。

問合先:役場環境水道課
【電話】62-2415