くらし 所信表明2025(11)

◇教育施策
教育施策につきましては、「紀宝町教育大綱」に基づきまして、教育、学術および文化の振興に関する総合的な施策を推進してまいります。
学校教育に関しましては、「紀宝町学校教育振興ビジョン」に全体像を示す中で、現行学習指導要領の趣旨に沿った「対話的、協働的で、深い学び」の実現に向けて、外部講師を招聘し公開授業研究会を開催するなど、すべての小中学校が全校体制で授業改善のための研修を継続する仕組みを確保することにより、教職員の指導力の向上を図り、子どもたちの豊かな学びの保障と、さらなる学力の向上を目指してまいります。
国が毎年実施する「全国学力・学習状況調査」につきましては、令和6年度は4教科中3教科で県平均以上の成績を収め、うち1教科で全国平均を上回る結果でありました。今後も「紀宝町学力向上推進協議会」を核とし、すべての子どもたちが学ぶ喜びを実感し、より豊かな学びを保障するための取り組みを継続してまいります。
次に、姉妹町提携を締結しております石川県中能登町との教職員交流事業につきましては、5年ぶりに訪問を再開し、本町の授業改善に向けた取り組みの成果と課題を情報提供し、また中能登町の先進的な学校教育の実践を学ぶことで、両町教職員の相互理解と友好を深めてまいりました。
令和7年度につきましても教職員交流を継続し、町内小中学校の教育活動の更なる質的向上と、授業改善活動の推進へとつなげてまいります。
次に、スポーツ交流事業につきましては、平成26年度から、町スポーツ協会、スポーツ少年団関係者、小中学生、保護者等が相互に両町を訪問し合い交流を深めるなかで、競技力の向上を図りながら、友好と親睦を深めております。令和6年度は能登半島地震の影響により実施を見合わせましたが、令和7年度は再開する方向で進めてまいります。
次に、昨年4月、矢渕中学校内に設置いたしました「紀宝町立学校における校内教育支援センター」では、不登校およびいじめ防止対策として、児童・生徒一人ひとりの状況に応じた学習環境等を整備し、「誰一人取り残されない学びの保障」に向けた取組の充実を進め、1月末時点では延べ127名の利用がありました。
今後も、町内全小中学校を対象に、不登校等、児童・生徒の学びの場を保障するために継続して事業を進めてまいります。
次に、ALTを活用した英語活動、外国語教育につきましては、幼少期から生きた英語に触れることを目的に、3名のALTを雇用して、小学校高学年と中学校の英語科だけでなく、幼稚園および小学校低学年におきましても、積極的に英語活動の充実に向けて取り組んでまいります。
次に、「放課後サポートスクール」につきましては、各小学校において、放課後の自主学習に取り組む場を設定することにより、子どもたちの安全・安心な居場所を確保するとともに、自主的な学習習慣の定着を目指し、今後も継続して開催いたします。
また、長期休業中における「サマースクール」や「ウィンタースクール」につきましても引き続き開催し、児童が自主的、主体的に学習に取り組む姿勢の育成と、個に応じた学習支援を行ってまいります。
さらに、親子で楽しみながら身近な科学を体験する「サイエンススクール」を引き続き開催し、科学への興味・関心をより一層高めてまいります。
次に、学校と地域、保護者との連携につきましては、各小・中学校区に設置されました「学校運営協議会」制度を活用し、ともに連携・協働するなかで、子どもたちの豊かな成長を支える、「地域とともにある学校」づくりを引き続き進めてまいります。
また、小・中学校の適正規模・適正配置に係る取り組みにつきまして、令和6年度では、「紀宝町立学校の適正規模・適正配置検討委員会」において、学校現場で直接、児童・生徒の教育に携わる教職員と、児童・生徒に対し実施したアンケート結果を踏まえ、紀宝町立学校の教育をめぐる諸課題等について整理し、望ましい学校規模と適正配置についての基本的な方向性を検討していただいております。令和7年度は、これまでの検討・協議をより深め、紀宝町立学校の学校教育活動のメリットを最大限活かせるよう、適正規模や適正配置に係る「基本方針」および「実施計画」の策定に向け、協議を進めていただくこととしております。
次に、令和6年度から新規に取り組みを始めました「検定チャレンジ補助事業」でありますが、引き続き子どもたちのさらなる学習意欲や学力向上につなげ、保護者の経済的負担の軽減を図るため継続して事業を実施してまいります。
次に、幼保小連携事業といたしましては、令和6年度に、うどの幼稚園と鵜殿小学校をモデルケースとして、卒園時におけるアプローチカリキュラム、小学校入学期におけるスタートカリキュラムを作成し、架け橋期におけるスムーズな接続に向けて取り組みを進めてまいりました。
今後、これらのカリキュラムに沿って実践する中で、幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿を常に意識しながら、幼児期の遊びを通した学びを小学校教育につなげていく取り組みを各小学校区に広げ、幼保小の保護者の理解を得ながら、「架け橋期」の教育の質の向上に努めてまいります。
次に、長期休業中も含め午後6時まで実施している幼稚園における預かり保育でありますが、引き続き、幼児を取り巻く生活環境の変化に対応しながら、さらなる子育て支援の充実に取り組んでまいります。