くらし すべての人を大切にするまちに

■町内学習懇談会をもとに「人権の尊重されたまちづくり・ひとづくり」を
◇草津市同和教育推進協議会の願い
草津市同和教育推進協議会(以下、市同推協)の活動が本格化していくのは、昭和51(1976)年に町内会単位で同和教育による町内学習懇談会が始められた時からです。
現在、市同推協の活動は「ゆたかな草津人権と平和を守る都市宣言」に込められた願いである、基本的人権の永久尊重と恒久平和の実現を踏まえて「草津市人権擁護に関する条例」「草津市人権擁護に関する基本方針」「草津市人権教育基本方針」などの具現化をめざして活動しています。

◇町内学習懇談会とは
町内学習懇談会は、昭和51(1976)年より各町内会で開催されています。学区・区まちづくり協議会、学区・区同和教育推進協議会などと連携し、地域住民の皆さんと行政職員が協働で取り組んできました。
その狙いは、同和教育を軸にしながら、差別のない明るいまちづくりをめざして、一人一人の人権意識を高めることや、人権尊重のまちづくりの指導者育成としても位置付け、取り組まれています。

◇町内学習懇談会の学び
日本の人権教育の歩みは、同和教育(部落差別をはじめ、あらゆる差別をなくす教育)が原点とされています。町内学習懇談会では、当初から部落差別の厳しい現実を前に、差別を社会問題として捉えながら、解決に向けての学びや取り組みが進められてきました。
同和教育の成果は、部落問題解決への学びの一定の深まりを見せ、他の人権課題の解決にも生かされる手掛かりとなって、広がってきています。
現在、町内学習懇談会では部落問題を中心として、あらゆる人権問題の持つ特徴や課題を学ぶ内容や教材にも広がりを見せています。今後も、私たちの暮らしの中にある偏見や差別に気付き、各家庭や地域社会にある不合理を把握しながら、問題の解決のためにできることを話し合い、誰もが安心して暮らしていける社会とはどのようなものかを考えていきたいと思います。

◇人権について学ぶことの大切さ
人権について学ぶことは、人権が尊重される「まちづくり・ひとづくり」の実現に大きく関わっています。令和5年度に草津市で実施した『「人権・同和問題」に関する市民意識調査』報告書では、例えば「被差別部落であることを理由に家を買うことをやめた」とする考え方について、尋ねた設問があります。この設問に対して、人権に関する研修会や講演会、町内学習懇談会などに回を重ねて参加する人ほど「差別だと思う」という回答が多くなる傾向がみられます。
この結果から、長年継続して取り組んできた町内学習懇談会をはじめ、人権に関する研修会などは、学びの場として必要なものであり、私たちの住みよいまちづくりに生かされるものといえます。
このように、町内学習懇談会などに参加する中で生まれた気付きや学びは、まちづくり・ひとづくりの財産です。市民一人一人が人権について学ぶことは、他人事ではなく自分事であることに気付き、新たな財産が共有され続けることが、さらに求められています。

問い合わせ先:人権センター(大路二、キラリエ草津3階)
【電話】563-1765
【FAX】563-7070