くらし 守山てんこもり

■みーんな、知り合いになったらいいにゃん
多世代の居場所を願って「まねきねこ」

立入町で、内谷加世子(うちたにかよこ)さんたち仕事と子育てを両立するお母さん(ワーママ)が運営している、多世代の居場所「まねきねこ」を取材しました。
赤ちゃんも子どもも大人も高齢者も一緒に過ごせる、ほっこりの居場所
おしゃべりしながら手仕事
おにぎりを食べながら宿題
自由に何かをしながらゆっくり過ごせる「まねきねこ(ながらのおへや)」
みんなの「たのしい」「ほっ」「わくわく」が集まる場所になったらいいニャン

●頑張るママが楽しい 多世代が交流する「居場所」
立入町自治会館(白菊会館)では週に一度、子どもから高齢者まで、ゆっくり過ごせる居場所「まねきねこ(ながらのおへや)」がオープンします。夏休みなど長いお休みには「子ども食堂」になることも。
発起人の内谷加世子さんは、仕事と子育てを両立するワーママです。きっかけは2年前。夏休みに、地元のおじいちゃんを先生に、立入町の歴史を学んだり未来を描いたりするイベントを開いたことでした。
異世代との交流や子どもたちの笑顔に手ごたえを感じ、内谷さんはママ友と「誰もが居場所と思えるワクワクや安心を感じられる場を作りたい」と考えました。

●地域の助けで「おいしい」も 力強いスタッフも増えた
活動を始めるにあたっては、内谷さんなりに「赤ちゃんから高齢者まで」「他地域の人も利用できる」などのコンセプトがあり、冬休みのプレ開催を経て、昨年春、ようやく多世代の居場所「まねきねこ」が誕生しました。
最初は内谷さんとアートが得意な冨田真樹(とみたまき)さん、ママ友の3人でしたが、「一緒にやりませんか?」と回した回覧板で来てくれたのが、放課後児童クラブの現役職員さんです。
力強いスタッフが加わり、子どもたちが作ってくれた看板もできました。立入が丘小学校の学習田で収穫されたお米を分けてもらえるようになり、市社協の善意銀行からも食品を寄付してもらるようになり、利用者は少しずつ増えてきました。

●いろいろな距離感のつながりが居心地の良さと成長を育む
開催日には、シンプルな「おにぎり」を用意しています。お昼前後には幼稚園帰りの親子が、放課後には学校帰りの小学生がやって来て、遊んだり、宿題をしたり、自由に楽しく過ごしています。忙しい保護者も、ほっこりおしゃべりを楽しんでいます。
夏休みに開く「子ども食堂」(居場所の中で実施)では、自由に過ごす中で、「何かお手伝いしたい」と声をかけてくれる大人や子どもたちがいます。もちろん、お昼におわんと百円をにぎりしめて来てくれる人も。まねきねこで顔見知りになって、通学中にあいさつを交わすことも。
住んでいる地域も学年も違う子ども(友達を連れて来たりします)や大人が同じ空間で過ごし、みんなの「楽しい」「ほっ」「ワクワク」が集まって自然と結ばれる、家族、友達、顔見知り、いろいろな距離感の絆が子どもたちの宝物になると、内谷さんは考えています。

●夢も課題も一歩ずつ みんながうれしい居場所に
放課後の居場所としても機能している「まねきねこ」ですが、子育て真っただ中の内谷さんたちが目指す多世代の居場所作りには、課題も夢もたくさんあります。
地域の高齢者は畑の野菜を届けてくれたり、お茶に立ち寄ってくれたりしますが、まだまだ参加が少ないそうです。そのため、大人を対象にしたイベントも工夫したいと構想中だとか。
働くママが自分にも地域の子どもにもうれしい「居場所」は、これからも成長していきます。