くらし 令和6年度決算の概要(2)

■歳出の状況
一般会計の歳出総額は、119億2,480万円で、前年度と比較して12億3,856万円、11.6%の増となりました。目的別構成比では、民生費が全体の約3割(29.8%)を占めており、総務費(18.0%)、教育費(14.7%)がこれに続きます。前年度比増加率では、農林水産業費、諸支出金、総務費の順に大きく、減少率では、衛生費、教育費、商工費の順で大きくなりました。
性質別出を前年度比較でみると、義務的経費は、国の定額減税施策や住民税非課税世帯給付金給付事業等による扶助費の増、会計年度任用職員への勤勉手当の支給開始や人事院勧告による給料等増による人件費の増などにより、6億2,116万円の増となりました。一般行政経費は、愛知川警部交番解体完了に伴う物件費の減や下水道事業会計への繰出金減による補助費の減により、2億6,367万円の減となりました。建設事業等の投資的経費は、庁舎等リニューアル事業や国営湖東平野土地改良事業などの大型事業の実施により総額7億8,350万円、59.6%の増となりました。さらに、その他の経費は、ふるさと納税による寄付額の増加などにより、積立金が79.7%増となりました。

■自由に使えるお金はどれくらい?
▽経常収支比率
経常収支比率とは財政の健全性を示す指標で、税収など経常的な収入のうちどれだけを人件費や扶助費のような経常的な支出に使ったかを示すものです。言い換えれば自由に使えるお金の度合い、つまり、財政の「ゆとり」を示す指標です。

▽家計に例えると…
毎月決まって入ってくる給料のうち、食費・光熱費・ローンの返済など必ず支払う費用に、どれくらいのお金を使っているかを指標で示し、弾力性を見ようというものです。比率の上昇は、家庭で自由に使えるお金が少なくなることを意味します。

愛荘町の経常収支比率は、平成25年度以降に年々高くなり、平成29年度決算では98.4%に達し、全国平均92.8%と比べて高い数値となりました。
経常収支比率が100%を超えると各年度に収入するお金では足りず、起債(借金)や基金(貯金)の取り崩しなどの臨時的な収入に頼らざるを得ない状況となります。
令和6年度の経常収支比率は法人町民税増収等により93.7%となり、前年度と比較して改善が見られましたが依然として高い水準にあります。
健全な財政運営を維持していくためには、新たな収入の確保に努めるとともに、効率的な行財政運営を積極的に図っていく必要があります。

■まちの借金はどれくらい?
▽町民一人あたり…95万2千円
町債の残高は、一般会計では前年度末より3億4,491万円増の132億9,272万円、下水道事業会計では前年度末より2億2,731万円減の66億5,197万円で、合わせて199億4,469万円となり前年度末残高より増となりました。
町債の推移については、合併した平成18年度末の残高は約222億円でしたが、平成25年度末には29億円減の約193億円まで減少しました。
しかし、平成26年度から増加に転じ、令和2年度末で10億円増の約203億円まで増加しています。令和6年度は、下水道事業会計の残高は減少しましたが、庁舎等リニューアル事業などの大型事業の実施により、前年度末より1億円増の約199億円となりました。
今後、将来世代に負担を先送りすることがないように町債の発行を計画的に行い、持続可能な財政運営に取り組む必要があります。

▽町民一人あたり町債現在高…95万2千円
町債現在高:1,994,469万円÷20,942人95万2千円