- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大阪市城東区
- 広報紙名 : ふれあい城東 令和7年7月号
■立ち直りを近くで見守る「保護司」
犯罪や非行をした人たちの出所後の生活に寄り添い、更生を支える保護司の皆さん。立ち直りを近くで見守り、どのような思いで活動されているのでしょうか。城東区の更生保護団体の代表の4名の方にお話を伺いました。
◆城東地区保護司会会長 松岡正人(まつおかまさと)さん 保護司歴27年
◇保護司としてのやりがいとは?
非行や犯罪に向かう青少年の多くが、「自分の居場所がない、見つからない」と感じています。保護観察を受けている人が立ち直り、社会復帰するには、その居場所を見つけ、規則正しい生活リズムで毎日を過ごせるよう支援をするのが保護司です。そのためには、定期的に面談を行い、信頼関係を築くことが大切です。なかなか上手くいかないときもありますが、順調に生活や就労する姿を見たり聞いたりするときほど、保護司としてのやりがいを感じます。
例えば、担当していた若者と偶然道で会ったときのことです。元気に挨拶をしてくれ、国家試験にみごと合格したと教えてくれました。彼の人生の再出発と転機に関わることができたと実感した経験です。
◇今後の課題と力を注いでいきたいこと
現在、城東地区保護司会には57名の定員に対して51名の保護司が在籍しており、在籍率平均90%を誇ります。
しかし、全国的に保護司の高齢化が進み、城東区の保護司も例外ではありません。次世代の担い手の発掘が一番の課題といえます。
また、1日でも早く立ち直り、社会へ復帰するために励む青少年をサポートする役割は、保護司だけではなく、地域をはじめとする社会と人が寄り添い、受け入れるシステムの構築が必要ではないでしょうか。ときには家族や友人のように接しながら、立ち直り社会復帰できるような支援ができる温かい地域づくりをめざしていきたいです。それが、再犯防止と更生支援につながると信じています。
◇区民の皆さんへ
保護司とは、犯罪や非行のない社会や明るい地域社会の実現に向けてお手伝いしていることを多くの人に理解していただきたいと願います。
また、“社会を明るくする運動”が、75回という節目の年です。その記念事業が、9月6日(土)に区民センターで開催されます。詳細は後日お知らせいたしますが、この運動についてわかりやすく、誰でも参加しやすい記念事業として開催します。区民の皆さん、ぜひご参加ください。
そして、保護司の活動に興味のある方、社会貢献を考えている方は、気軽にお声がけください。お待ちしています!
◆城東区更生保護女性会 会長 芳浦喜子(よしうらよしこ)さん
私たちは、「ほっておけない」「何か力になりたい」という気持ちのもと、人に寄り添い、誰一人取り残すことなく更生の後押しをしていきたいと考えています。
同じ更生保護に携わる他団体の方々のお手伝いをさせていただきながら、安心安全な地域社会、笑顔で暮らせるまちづくりに向けて、共に活動を続けたいと思っています。
◆城東地区BBS会 会長 奥田英織(おくだひでお)さん
私たちは、非行少年や社会に適応できない等の悩みを抱える少年とともだちとなることを通して、彼らの自立を支援する「ともだち活動」や、少年たちの犯罪予防活動に取り組んでいます。
犯罪や非行をする人を生み出さない家庭や地域づくりに微力ながらお手伝いをさせていただいておりますので、ご支援ご協力をよろしくお願いいたします。
◆城東地区協力雇用主会 会長 松原勇樹(まつばらゆうき)さん
私たちは、犯罪や非行をした人たちの自立および社会復帰に協力し、手を差し伸べようとする民間の事業主の会です。城東区内に拠点を置く協力雇用主が一体となって、城東地区保護司会や他団体と連携し、城東区内の就労支援を充実させることにより区内の再犯防止をより一層進め、地域の安心安全なまちづくりに貢献して参りたいと考えております。
◆おしえて!保護司さん
南後律子(なんごりつこ)さん 保護司歴6年
Q 保護司になったきっかけは
A 先輩保護司に勧められました。
Q これまでの経験で、保護司の活動に役立っていることはありますか
A 小学校で学校司書をしていた8年間、卒業生には「今まで多くの人に見守られてきました。これからは皆さんが地域を見守る人になってください」と言葉をかけてきました。地域を愛する気持ちが非行を減らすことができると思っています。
Q あなたにとって、理想の保護司像とはどのようなものですか
A 保護司も罪を犯した人も一人の人間、人間同士向かい合って寄り添うことが大切だと思います。
Q 今後の目標を教えてください
A いつでも近くで見守っているよ、話を聞くよ、応援しているよ、という気持ちをもって接していける保護司になりたいです。