- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大阪市住吉区
- 広報紙名 : 広報すみよし 令和7年7月号
■子どもたちに にぎやかな食卓と、地域の居場所を 地域・子ども食堂
地域・子ども食堂は、食を通じた団らんの中で地域の人と関わりながら安心して過ごすことができる、さまざまな子どもたちにとっての居場所。食事を提供するだけではなく、「子どもが落ち着いて遊べる地域の居場所にしたい」、「親もほっとできる場所にしたい」、「高齢者や障がい者などさまざまな人と子どもたちが交流できれば」などの思いをもって運営されている方々がいます。
今回は、住吉区地域・子ども食堂連絡会会長に、その活動についてお話を伺いました。
住吉区地域・子ども食堂連絡会 会長
藤本 真帆(ふじもと まほ)さん
「(公財)住吉隣保(りんぽ)事業推進協会」の職員として地域活動に従事。2016年に「住吉隣保(りんぽ)事業推進センター」、2017年に「寿(ことぶき)こども料理食堂」の創設に尽力し、2025年に「住吉区地域・子ども食堂連絡会」会長に就任。
◆携わることになったきっかけや普段の活動について教えてください
◇住民みんなが安心できる居場所づくり地域・子ども食堂で「生きる力を養う」
前職では英会話教室の講師をしていました。自分の思いと仕事内容のズレを感じていた頃、地域の行事で知人から声をかけてもらい、現在所属する協会へ転職。転職後は、住吉隣保事業推進センターの立ち上げに携わり、地域の居場所づくりの重要性を痛感しました。
子どもが調理することをテーマにした「寿(ことぶき)こども料理食堂」の始まりは、行政と連携して子ども支援事業に携わる中、事情を抱える家庭を訪問した際に、家に食材があるのに子どもがお腹を空かせている姿を見たこと。また放課後の学習支援においても、子どもや教える側の学生スタッフが休憩時にいつも菓子パンを食べていることに気づきました。せっかくなら空き時間にみんなで料理をしようと提案。さまざまな課題や事情をもつ子どもたちを受け入れていく中で、「寿(ことぶき)こども料理食堂」では季節食材を使った献立考案から、予算内の買物、調理、片付け、ごみの分別までを子ども自身が行うことで生きる力を育んでいます。
また、運営にあたって金銭面では我々の力だけでの運営の継続が難しいため、行政の支援を受けられるように区や市へ要望を届ける地道な活動も行っています。
◆地域・子ども食堂連絡会は、どんな活動をされているのですか?
◇区内24カ所の食堂間の連携を強化!区全体で活動内容のさらなる充実を図る
今年4月、連絡会会長に任命いただきました。「寿(ことぶき)こども料理食堂」を含む区内24カ所の地域・子ども食堂の情報交換や相互協力を通じて、活動内容の充実や運営されている方の衛生管理や食中毒予防、SOSの気づき方を含めた子ども福祉など、各種研修も実施。3か月に1度の定例会議では事例を共有し、個々の食堂運営に役立てています。各団体の情報を載せたチラシを作成し、利用希望の問い合わせが入った際に、居住地から通いやすい食堂を案内するなど、必要な情報を届ける役目も担っています。フードバンクなどから食糧支援をいただく際のハブ拠点として「寿(ことぶき)こども料理食堂」を活用し、区内に迅速に行き渡るための連絡網も拡充。子どもや利用者の安心・安全のために、今後も地域間連携を深めていきます。
◇住民が参加できるイベントを企画し、活動の周知で支援の輪を広げる
連絡会では、毎年区民まつりで各団体の情報を記載したパネル展示や子ども向けの工作ブースを出展しています。また、フードドライブの活動も同時に行っています。さらに、ゴールデンウィークの居場所づくりとして始まった映画会を、今年は9月に開催予定。チラシ配布や口コミの効果で、今では1,000人以上を集客する人気イベントになりました。複数の地域・子ども食堂が活動内容を広報するパネルを出展し、新たな利用者や支援者との出会いにもつながっています。
◆今後の展望と、区民の皆さんにメッセージをどうぞ
◇今後も地域全体のセーフティネットとして事情や課題を抱える住民に寄り添います
食堂によっても異なりますが、住吉区では、子どもだけでなく地域の多様な住民が利用できるように「地域・子ども食堂連絡会」と名付けて活動しています。貧困、ひとり親家庭、障がい、外国籍、虐待など…事情や課題を抱えた子どもたちの支援に携わる中で深刻な場面に立ち会うことも。それでも、保護者の方々から感謝の手紙や電話をいただき、保護者にとってもなくてはならない場所だと言ってくださることもあります。以前関わった子どもが「ここが居場所」と戻ってきた際、関係機関の職員も「子ども食堂があるから安心できる」と言ってくれたことがあり、活動の意義や責任の大きさを感じています。
かつて通っていた子が成長し、スタッフとして参加してくれたり、対応に悩んだ子が結婚・出産の報告で訪ねてくれたり、成長する子どもの姿を見守ることが何よりのやりがい。活動に際しては、食糧をはじめ活動場所の提供など、さまざまな支援をいただき感謝を申し上げます。利用したい、支援したい!など、少しでも興味があれば連絡会までお問い合わせください。
■地域・子ども食堂ってこんなところ!
藤本(ふじもと)さんが代表を務める「寿こども料理食堂」さんにお邪魔しました!
・子どもたちが集まれるアットホームで安心できる場所です。
・子どもたちは、宿題をしたり友だちと遊んだり、思い思いの時間を過ごしています。
・この日は魚フライのタルタルソースのせ。子どもたちに人気のメニューです
視覚障害を持っている社会人スタッフなど、いろんな大人とも交流できる場です。
藤本(ふじもと)さん
宿題や資格取得の勉強をする子どもの学習支援や、運営サポートを通して地域貢献していきたいです。
上田(うえだ)さん
■区内では、24カ所の地域・子ども食堂が開設されています(7月1日現在)
実施場所や曜日・時間など、詳細はこちら (二次元コードは本紙を参照してください。)
問合せ:
保健こども家庭課 1階19番窓口【電話】6694-9815【FAX】6694-6125
住吉区社会福祉協議会(地域支援担当)【電話】6607-8181