くらし 市長コラム

■次代を担う子どもたちにとっての万博の意義とは?
現在、世界には地球温暖化や国際紛争、貿易摩擦など、個々の国だけでは解決することが難しい課題が山積しています。それらの課題に対処し、持続可能な未来社会を築いていくためには、世界中の人々が人種・民族、文化、宗教など立場や考え方の違いを越えて協力し合うことが不可欠です。とりわけこれからの時代を生きる子どもたちは、生まれ育った自国の文化や伝統に誇りを持ちつつ、諸外国の人々と協調し、ともに課題解決に挑む国際感覚を早い段階で身につけておくことが必要です。
今開催されている大阪・関西万博は、まさに地球規模の課題に対し、国際社会が手を携え、ともに解決に挑む姿勢を学ぶ貴重な場です。子どもたちが万博の意義を実感するには、ただ訪れるだけでなく、事前に「何を学びたいか」「何に注目したいか」を自ら考え、見学後にはその気づきを振り返ることが大切であり、こうしたプロセスを通してこそ、学びは深まります。市長と教育委員会が教育の方向性を話し合う総合教育会議でもそのプロセスの重要性を確認したうえで、学校行事として臨むことにしました。
実際に万博を見学した本市の小・中学生からは、「普段触れることのない国の文化や技術を知ることができた」「人の代わりに働くロボットを見て未来を感じた」「水素発電の仕組みがわかり、環境への関心が高まった」などの感想が寄せられています。「これからを生きる自分たちこそが英知を結集して今後の社会をつくっていくのだ」と、大人から諭されるのではなく、自ら自信を持って気づけたのであれば、社会に出る準備をする過程の公教育としては大きな成果です。
昨今インターネットを通じて情報の入手や発信が容易にできるようになりました。その一方で、情報の受け手が傷つくような発信をしてトラブルになったり、知らず知らずのうちに真偽不明な情報の拡散に手を貸してしまったりということも起きやすくなっています。オンラインの交流が容易な社会ゆえに、「言葉の刃」の怖さを意識することがあらためて求められているのだと思います。だからこそ、今回の万博のように実際に人と出会い、国際社会の多様な価値観を肌で感じられる経験は、デジタル化社会を生きる子どもたちにとって大きな意味を持つと考えています。今回の経験を仲間と語らい、今後の糧とすることを期待しています。

問合せ先:学校教育課
【電話】072-433-7106