文化 美の扉~和泉市久保惣記念美術館~

開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日
入館料:一般1,000円、高校・大学生800円、中学生以下無料
割引:20人以上、65歳以上(証明になるものを提示)、提携団体の会員証(会員含め5人まで)はいずれも2割引。各種障がい者手帳等提示の本人と介助者1人は無料

■美の扉を開こう!
◆特別展「Over The Waves―南蛮・万博・ジャポニスム」
「南蛮・万博・ジャポニスム」をキーワードにして、美術品によって展開された東西交流の様相をおよそ120点の作品でご覧いただけます。
期間:9月7日(日)~11月3日(月・祝)

◇おすすめ作品の紹介
「チュニス戦闘図・世界地図屏風」は戦闘図と世界地図を一組とする屏風です。この内、戦闘図は従来「レパント戦闘図」と呼ばれてきました。最新の研究ではオスマントルコとスペイン連合軍との間で1571年に起きたレパントの海戦を描くのではなく、1535年にオスマントルコとスペインとの間に起きたチュニス(現在のチュニジア)攻略戦が描かれていると考えられています。「ろうまの王」という貼り札が添えられる人物はチュニス攻略戦に出陣し指揮をとったスペイン国王カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)と見られます。レパントの海戦には時の国王であるフェリペ2世は出陣していない上に神聖ローマ皇帝でもありませんでした。屏風という日本の伝統的な絵画形式に岩絵具を用いて、戦う集団の足元や人物の顔や足などに日本絵画では描かれることの少ない陰影が描かれている点から、まさに東洋と西洋の出会いを示す作品と言えるでしょう。このほかにも東洋と西洋の出会いから生まれ、江戸時代の医学の発展に寄与した『解体新書』(当館蔵)と、その底本のひとつである『ターヘル・アナトミア』(当館蔵)なども展示します。
また、展覧会では19〜20世紀の初めに開かれた万博に関わる作品や日本の美術に影響を受けて生み出されたジャポニスムに関わる作品を展示しています。「白色ガラス蛙蜻蛉刻文瓶(かえるとんぼこくもんへい)」は、イギリスで製作され1867年のパリ万博出品作と伝わるものです。表面には月夜のカエルとトンボがデザインされており、これは葛飾北斎の『北斎漫画』の中の絵を題材にしたとされています。

◇館長のコレを見て!
ジャポニスムに関連する作品としてモネの油彩画やロートレックの版画、葛飾北斎の冨嶽三十六景なども展示します。日本美術がいかにヨーロッパの美術に影響を与えていたかをご覧ください。

■9月の美術館イベント

問合せ:美術館
【電話】54・0001
(〒594-1156、内田町三丁目6-12)