健康 Medical News

市立東大阪医療センターのスタッフがリレー形式で医療に関する情報などをお届けします。

■腎がん 治療の選択肢が広がっています
▽市立東大阪医療センター 泌尿器科 小野 豊副院長
腎がん(腎細胞がん)の罹患率は決して低くなく、男性で約2パーセント、女性で約1パーセントの確率で発症します。特に70歳代前半の罹患率が高く、40歳代・50歳代から増加する傾向があります。30歳代以下でも発症するケースがあり、幅広い年齢層に影響をおよぼします。
初期の腎がんは自覚症状がほとんどなく、血尿や腹部の腫瘤、腰の痛みなどの症状がそろうケースは数パーセントに過ぎません。そのため、約70パーセント以上が検診やほかの病気の検査中に偶然発見されています。特に腎部分切除術の対象となる症例はほぼ全て偶然の発見によるものです。早期発見のためには、腹部の超音波検査を受ける際に腎臓も詳しく診てもらうことが有効と考えられます。
また、腎がんの治療は近年大きく進歩し、ロボット支援手術の普及により、精密で負担の少ない治療が可能となっています。進行性の腎がんに対しても、新たな抗がん剤である血管新生阻害剤や免疫療法の導入により、生命予後が大きく改善しています。

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