文化 第12回 ええもんみっけ!東大阪歴史手帳

今回の「ええもん」は東大阪市のウマの歴史を紹介します。
日本列島には古墳時代中期(5世紀)ごろに朝鮮半島からウマがやってきたと考えられており、『日本書紀』にも5世紀前後に百済王から良馬2頭が貢上され、軽(現在の奈良県橿原市)で飼育されたという記述があります。
日下町に位置する日下貝塚からは全国的にもめずらしい古墳時代中期のウマの全身骨格がほぼ完全な形で見つかっています。また、生駒山西麓を流れる客坊谷と鳴川谷にはさまれた尾根上に山畑古墳群という古墳時代後期の群集墳が広がっており、発掘調査では馬具や鎌などウマに関わる副葬品が多く見つかっています。このことから山畑古墳群を築造し埋葬された集団はウマを生産・飼育した馬飼部と呼ばれる渡来系集団ではないかと指摘されています。
発掘調査でも古墳時代の集落や流路、古墳の周りをめぐる周濠の中からウマの歯が発見される調査事例が増えています。このことからも、生駒西麓のウマの存在は重要な位置を占めていたことが伺えます。一方で、東大阪市域ではウマを飼育していた痕跡が確実には見つかっていません。市内で出土するウマたちはどこからやってきたのか、これからの調査が楽しみですね。

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