くらし [特集]阪神・淡路大震災から30年 災害に強くしなやかなまちへ
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- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県神戸市
- 広報紙名 : 広報紙KOBE 2025年(令和7年)1月号
30年前の1995年1月17日に、阪神・淡路大震災が起こりました。
あの被害を二度と繰り返さないため、災害に強い都市を目指し、インフラを強化してきました。
最新技術とアイデアを駆使した、断水・停電・津波に備える3つの設備をご紹介します。
■断水に備える 大容量送水管
生活に直結する「水」の安心を守るため、市街地の地下深くを全長12.8kmにわたって走る直径2.4mの大容量送水管が2016年に完成。災害時には、耐震性の高い水道管に大量の水を蓄えることができ、給水車や消防車への給水をはじめ各地の給水拠点で水を配ります。
阪神・淡路大震災のときには、琵琶湖・淀川を水源とするエリア(※水源別給水区域図・青色)はほぼ全域が断水し、復旧に最大3カ月かかりました。この被害を受け、「災害に強い水道づくり」という視点から、高い耐震性能と大きな貯留機能を備えた大容量送水管が作られました。
大容量送水管は、既存の送水トンネルとともに、平常時から琵琶湖・淀川を水源とした水道水を市内へ届けています。地震等で水道施設が被害を受けた場合には、神戸市民の飲料水を確保。送水管上に整備した6ヵ所の「立坑(たてこう)(※大容量送水管図)」を給水拠点として、貯留された水
を応急給水や消火用水に使用します。
※水源別給水区域図大容量送水管図・は本誌またはホームページをご覧ください。
◇ここが安心
・市民約150万人×3リットルの水を12日分確保できる
・地盤の変化に合わせて動く蛇腹状の管を全国で初めて採用。耐震性がアップ
・配水池や主要な配水管が被災した場合には直接配水管網に送水。災害時の復旧期間を短縮
■停電に備える 外部給電・神戸モデル
阪神・淡路大震災では、大規模な停電が発生し、避難所内での電力の確保が課題に。機動力があり、給電できる「電動車」などを使って、避難所に指定されている市内の学校に電力を供給できる「外部給電・神戸モデル」を構築しました。
これまで、市立小・中学校、高等学校約240校に導入。1校につき3カ所(体育館、職員室、多目的室など)の照明を点けられます。電池残量が少なくなった電動車は、港島クリーンセンターへ移動し、ごみ焼却によって発電された電力で充電します。
◇給電のしくみ
※本誌またはホームページをご覧ください
◇ここが安心
・災害停電時に1台で避難所内の一部の照明を3~4日分供給可能
・停電時も自家発電できる港島クリーンセンターの電力を活用
・自動車を販売している事業者と電動車を配車してもらう災害協定を結び、訓練も実施
■津波に備える 防潮堤
1,000年に一度の大津波も想定した防潮堤の整備が2023年3月に完了。津波の浸水被害から、居住エリアを守ります。防潮鉄扉の開閉はタブレット端末で遠隔操作もできます。
◇ここが安心
・マグニチュード9クラスの南海トラフ地震による津波がきても、
・人が住むところへの浸水を防ぐ防潮鉄扉は、津波警報・大津波警報が発表されると自動で閉鎖
■ウォーターフロントで防災テクノロジーを体験 レジリエンスセッション 震災と未来のこうべ博(仮称)
開催日時:4月26日(土)・27日(日)10:00~17:00(予定)
入場料:無料
「震災30年を未来につなぐー持続可能なグローバル貢献都市へー」をコンセプトに、テクノロジーにより進化する防災の“今”を体感できるイベントです。
場所:KIITO(メイン会場)、みなとのもり公園、ウォーターフロントエリア(新港第1突堤、メリケンパーク)
◇レジリエンスとは?
自然災害などの非常時でも停滞せず、しなやかに回復できる力
◇最先端防災テクノロジー
ヒューマノイド・レスキューロボットや、災害時に陸・海・空で活躍するモビリティを間近で見て、最先端技術を体感してみよう。
◇防災体験・ワークショップ
非常食炊き出し体験や地震・火災などをリアルに体験できるVRコーナー、消火器訓練、子ども向け実験教室など、盛りだくさん。