くらし クローズアップ豊岡(6)ー12月 とよおか生きもの歳時記ー

■しめ飾り
皆さんに豊岡の自然を身近に感じてもらうため、豊岡らしい季節の言葉を紹介します。

◆しめ飾りなど、新年に向けた準備に忙しくなる頃になりました
◇神様をお迎えするために
生田神社(神戸市)には、但東町薬王寺の住民グループが作る長さ約5mのしめ縄が奉納されています。しめ飾りの縄の綯(な)い方には決まりがあり、神棚など神聖な場所の時には左方向に捻(ね)じられた左(ひだり)綯いが一般的です。形は、地域や飾る場所で変わります。

◇込められた願い
飾りに使うものにも地域性が見られます。但馬でよく使われるのは「ダイダイ」「ウラジロ」「ユズリハ」。これに紙垂(しで)をつけます。

ダイダイ:実は熟して橙色になった後も落下せず、また緑色に戻り、数年は木の上に残ります。
このように何代もの果実が同時になることから「代々栄える」という縁起担ぎで中央に飾られるようになりました。

ウラジロ:葉の裏の白さから、清らかな心や夫婦円満を表します。また、きれいに左右に広がった2枚の葉の付け根から、次から次へと葉が出て芽をつけるので「子孫繁栄」の願いも込められます。

ユズリハ:新芽が出た後に古い葉が落ちるため「譲葉」と言われ、親から子へ世代交代して絶えず続く縁起のいい木とされています。実はブルーベリーに似ていますが、葉や実には毒があるので、絶対に食べないでください。

◇ウオーキングをもっと楽しく
ウラジロとユズリハは、但馬で自生しています。ぜひ、飾りつけの時にじっくり観察をして、初詣やウオーキングの時に同じものを探してみてください。身近な所で見つけられると楽しみも広がるのではないでしょうか。

写真・文:NPO法人コウノトリ市民研究所 村田美津子