くらし 今月のイチオシ(2)ー2024「植村直己冒険賞」受賞者が決定ー

■人類未踏の洞窟探検
吉田 勝次(よしだ かつじ)さん

2月12日(水)、2024「植村直己冒険賞」受賞者の記者発表を東京会場(明治大学グローバルホール)と豊岡会場(府中小学校)で開催しました。
今回は、2024年に日本人が挑んだ113件の冒険の中からラオスにある「人類未踏の洞窟探検」を行った、吉田勝次さんが選ばれました。洞窟探検で植村直己冒険賞を受賞したのは、今回が初めてです。
本賞の授賞式は、6月7日(土)に日高文化体育館(日高町祢布)で開催します。冒険賞の授与のほか、吉田さんの講演も行われますので、皆さん楽しみにお待ちください。

◆吉田勝次さん喜びの声
◇憧れの賞を受賞できて、とてもうれしい
植村直己さんは、私にとって登山を始めるきっかけの1つとなった方で、DVDなどを購入して観ていました。しかし、私は登山で頂上へ行くだけでは満たされませんでした。初めて洞窟探検をしたときに、一生やり続けたいと感じてしまった。そこからあっという間に31年が経ってしまいました。
「植村直己冒険賞」という賞は知っていました。夢は世界で一番大きい洞窟、深い洞窟を見つけたい。でもまだ見つけられていない。そんな私が、今回選ばれて驚きましたが、憧れの賞なのでとてもうれしいです。

◇子どもたちへのメッセージ
探検や挑戦は、好奇心と恐怖心がアクセルとブレーキになります。時には、次に挑戦するために戻ることも必要です。6月に皆さんに会えることを楽しみにしています。洞窟のことなら何でも答えます。(2月12日、受賞者発表記者会見にて)

◆世界最大級の洞窟を探し、ラオスの未踏洞窟を探検
吉田さんは、2018年にラオス現地の情報を得て、世界最大級の可能性がある未踏洞窟の洞口を確認。19年に第1回目、現地での許可取得やコロナ禍を経て、22年と24年に探検を実施しました。3度目の探検では、過酷な環境下での体調不良に見舞われながらも、下流部の未踏部分をケイブダイビング(※)や人工登攀(とうはん)によって突破し、新たに約550mの未踏箇所を発見しました。

※ケイブダイビング…洞窟の中へ入っていくダイビング。太陽光が直接入らない範囲まで潜る

◆洞窟探検には、全てが詰まっている
洞窟探検は、人知れず名もなき山や僻(へき)地に行って穴に入るという活動の繰り返しです。入口を見つけなければ探検は始まらず、すごい成果が必ず出るものでもありません。「世界最大、世界最深」という記録的な洞窟を発見できる可能性、社会的な意義、評価が低いこともあります。
また、ドキドキやワクワク、感動して楽しいことばかりではなく「痛い」「寒い」「苦しい」など、この世の苦のほとんどが洞窟の中にあると吉田さんは考えています。そうしたことから洞窟探検は、登山・クライミング・キャニオニング・ダイビングなどさまざまな技術が必要とされる難易度の高い探検と言えます。

◇洞窟の魅力に取り憑かれて30年以上探検を続ける
吉田さんは、何度も命の危険にさらされながらも、未知・未踏の世界を解明する魅力に取り憑(つ)かれ、30年以上洞窟探検を続けています。
現在は少しでも多くの人に洞窟の魅力を知ってもらうことに貢献できればと、探検の映像や写真など洞窟の魅力をSNS等を通して発信していきたいと考えています。

◆吉田勝次さんプロフィール
58歳。1966年大阪府生まれ。
98年冬に突然山に登りたくなり、冬山雪上訓練と登攀の指導を受けるが、次第に既に踏破されてルートもほぼ定められた登山に物足りなさを感じるようになる。
98年に洞窟探索記事に目を奪われ、洞窟探検に参加。以降、洞窟探検に傾倒していく。
「知られている洞窟でも感動するのに、自分で発見した洞窟ならどれだけ感動するだろうか。」その思いから、国内・国外、縦穴・横穴・水中問わず、未踏の洞窟を求めて1年の3分の1を洞窟探検と準備に費やす。
これまでに世界30カ国1,000カ所以上の洞窟に潜っている。

※吉田さんの「吉」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。

問合せ:日高振興局地域振興課
【電話】21-9056