くらし 市政ニュース(2)ー市政の動き 9月定例会報告 市長総括説明から(1)ー

8月29日、令和7年第5回豊岡市議会定例会が開会しました。
開会にあたり市長が総括説明を行い、当面する市政の諸課題および提出議案などについて説明しました。その中から主な内容をお知らせします。
なお、市長総括説明の全文は、市ホームページをご覧ください。

■安全に安心して暮らせるまち
◇医療的ケアおよび重症心身障害に対応した施設整備の進捗
九日市下町に整備された共同生活援助・短期入所施設については、7月20日に竣工(しゅんこう)式が行われ、オープンに向けて兵庫県と調整中と伺っています。
また、旧但馬技術大学校のグラウンドに整備中の生活介護・障害児通所支援施設については、27日に完成し、共同生活援助施設の利用者が日中に活動する場として運営されると伺っています。
これらの施設が円滑に運営され、当事者や家族の皆さんが安心して暮らし続けられる拠点となるよう、引き続き支援していきます。

◇AI活用による介護認定調査DXなど業務改善の取組み
介護認定調査業務のDXに着手しました。高齢者などの話をしっかり聞くこと、介護認定調査資料作成の効率化により職員の負担を軽減することなどを目指し、音声データから自動で介護認定調査資料を作成するアプリケーションの実証を始めました。現段階では、会話からおおむね調査項目ごとの選択肢が適切に選ばれ、特記事項も記載できます。
今後は、作成される資料の精度をさらに高めるとともに、他の業務における相談や記録などへのAI活用を検討していきます。
また、要介護認定の有効期間の目安の見直しにも取り組みます。厚生労働省は、介護認定審査会において直前の要介護度と同じ要介護度と判定された者の認定有効期間の上限を、48カ月とする省令改正をし、県内自治体においても見直しが進んでいます。
本市においても、10月以降に更新を迎える方に対し、更新申請の認定有効期間の目安を最長48カ月にするなどの見直しを行い、調査を受ける高齢者、その家族などの申請にかかる手続きや、調査・審査を行う審査会委員・職員などの負担を軽減していきます。

◇「マイナ保険証」を活用した救急搬送
消防本部では、10月1日から健康保険証利用登録をしたマイナンバーカードを活用したマイナ救急の実証事業を開始します。
本事業では、救急隊員が現場に到着した際、傷病者などの同意を得て「マイナ保険証」を専用カードリーダーで読み取り通院先や受診歴、服用している薬などの情報を迅速に確認し、より適切な応急処置を行うことが可能となります。
また、これらの情報を搬送先の病院と共有し、スムーズな医療連携につなげます。
市内全7隊の救急隊が実証事業に参画し、救命率の向上や後遺症軽減への貢献、また、円滑な救急業務の推進に資するか検証した上で、本格導入の要否を判断していきたいと考えています。

■人と自然が共生するまち
◇住宅用太陽光発電設備などにかかる導入補助
6月、兵庫県は、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金重点対策加速化事業」に採択されたため、県内市町を対象とした住宅用太陽光発電設備などの導入補助制度を新たに創設されました。
この補助制度は、現行の本市の補助制度よりも有利になる場合があるため、市では現行の補助制度を県の補助金も活用できる補助事業に拡充し、再生可能エネルギーのさらなる導入を進めていきます。

■持続可能な「力」を高めるまち
◇中小企業奨学金返還支援事業
現在、大学生・大学院生の約半数が奨学金制度を利用しており、その返済が若年労働者にとって大きな負担となっているため、奨学金返済支援制度を創設します。
2024年4月には、兵庫県において同様の制度が拡充され、市の制度は、県補助制度を活用する市内企業に対して上乗せ補助を行うことで、制度の効果をさらに押し上げようとするものです。
本事業を通じて、UIターンを検討する若者を後押しし、市内企業の人材確保や市内での就職・定着を図るとともに、環境への配慮や若者、女性が活躍しやすい市内企業の増加につなげていきます。

◇バス型日本版ライドシェアへの移行
竹野地域では、予約型乗合交通を10月1日から本格実施できるよう、準備を進めているところです。これまで豊岡市が事業主体となる自家用有償旅客運送、いわゆる「公共ライドシェア」の仕組みで取り組んできました。
この度、国から新たな指針が示され、従来のタクシー事業者の管理下でのライドシェアに加え、新たにバス・鉄道事業者による試験運行が可能となりました。このため、先日26日、全但バス株式会社、豊岡市社会福祉協議会、竹野地域運営協議会、そして本市の4者で協定を締結し、現在進めている市主体の予約型乗合交通を、バス事業者である全但バス株式会社が主体となり、日本初となる「バス型日本版ライドシェア」へと移行します。
運行事業の主体は、全但バス株式会社に移行しますが、利用者の予約方法や利用方法、社会福祉協議会の受付業務、地元住民のドライバーの取扱いは、これまでと変わりません。市としては、引き続き、地域運営協議会、地元ドライバー、社会福祉協議会、全但バス株式会社と、連携・調整を行っていきます。

◇豊岡のってECO(いこう)の利用状況
市制20周年を契機に、路線バスなどを利用して市内を巡り、豊岡の魅力を再発見していただくことなどを目的に、小学生250円、中学生以上500円で市内の路線バス、コバス、イナカー、チクタクが乗り放題となる「豊岡のってECO(いこう)」を7月から11月の間、適用日を設けて実施しています。
8月18日現在の利用状況は1,075人で、利用者アンケートの結果は、普段の買い物や通院以外にも観光での利用が多い状況となっています。
今後も、より多くの皆さんに利用いただけるよう、効果的な周知に努めていきます。