くらし 【特集】「もしも」に備える、「いつも」のつながり(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県宝塚市
- 広報紙名 : 広報たからづか 2025年9月号No.1339
「私は、近所の、1つ上の植野君に
たすけてもらいました
もし、その人がこなければ
タンスの下じきになって
そのままだったのです」
■いざという時、近くに頼れる人はいますか?
上記は、阪神・淡路大震災の1年後に小学生が作文に書いた、実体験の一節です。
大規模災害時には、道路の破損や広範囲にわたる救助活動により、救助隊の到着が遅れる可能性があります。阪神・淡路大震災では、生き埋めになった人のうち、救助隊による救助は約2%、近所の人や友人による救助は約30%でした。
「備えていたつもり」でも、建物の倒壊、火災などにより、自力ではどうにもできない状況になることがあります。そのような時、支えになるのは近くにいる人です。
◇阪神・淡路大震災における生き埋めや閉じ込められた際の救助主体
内閣府 平成30年版防災白書を改編
■防災イベントで顔の見える関係を
実体験の一節のように、自宅でタンスの下敷きになってしまったら、誰にも気付いてもらえないかも─。普段から近所の人とあいさつを交わすなど「顔の見える関係」を築き、高齢者や幼児がいるなどお互いの状況を知っておくことが、災害時の助け合いにつながります。
市内では、多世代が顔を合わせるきっかけとなるような防災イベントがまちづくり協議会や自治会で実施されています。次のページ(※下記参照)ではその一例を紹介します。
■東日本大震災・平成28年熊本地震時のご近所さんとの助け合いエピソード
・世間話や情報交換で不安が和らぎました
・避難所に知っている人がいて安心感がありました
・子ども同士で遊べる場をつくって親が交代で見守りました
・一時的にペットを預かってくれたり、餌を分けてくれました
■地域の防災イベントをご紹介
◆夜の学校で子どももワクワク!夜間避難所開設訓練
◇主催者の声
夜の学校なら子どもたちが面白がって来てくれるかなと思い、日没後、小学校の体育館に集合して、「簡易ベッドvs段ボールベッド」と題したベッドの比較や、非常食の牛丼作りなどを行う訓練を企画しました。ほかにも、突然の停電で懐中電灯を頼りに行動する体験など、工夫を凝らした訓練を実施。夜間避難時の小学校までの危険箇所の確認や、避難所開設の知識も学んでもらいました。
当日は、親子連れや初参加の人も含め約120人が来てくれました。楽しく訓練をしたことで、発災時の避難所運営を「自分ごと」として捉えてもらえていたらうれしいです。
◇訓練に参加した中林さん親子
「在宅避難でも、避難所に行けば支援物資を受け取れることを、訓練で初めて知りました」
「段ボールベッドの組み立てが難しかった!」
◆体験して学ぶ!みんなの防災訓練
主催:宝塚第一小学校区まちづくり協議会
煙が立ち込めるテント内を歩く「煙道訓練」や、頭を抱えて低い姿勢を取る「シェイクアウト訓練」などさまざまな体験型訓練のほか、スマートフォンを活用した安否確認や避難経路の確認といったデジタルの要素も交えた訓練が行われ、約175人が参加しました。
■イベントに参加してみよう
◇宝塚ぼうさい劇場
テーマは「アート×防災」。コンサート中の発災を想定した避難訓練や消防体験のほか、人形劇などの芸術を楽しみながら防災を学ぼう。
日時:9月28日(日)10時半~15時半
場所:文化創造館、花のみち・さくら橋公園など
問合せ:同館
【電話】87・1136【FAX】87・1191(月曜休館)
◇あなたの地域でも開催中!
地域ごとに、さまざまな防災イベントが開催されています。「宝塚市みんなのまちづくり協議会ポータルサイト」では、各イベントの最新情報を随時更新しています。
「二次元コードからチェック!」
※二次元コードは本紙参照