文化 養父市国際交流員ロメロ・セサルの養父市にメロメロ vol.18

■カナダの深いイギリスルーツ
私の実家があるカナダのオタワには、街の中心にある国立戦争記念碑から国会議事堂間で行われる、カナダ軍の衛兵交代式というイギリスの伝統に根差した夏季限定のセレモニーがあります。セレモニーでは、赤い上着と黒いズボン、黒い毛皮の長帽子を身にまとった若手予備役兵が、バグパイプなどの管楽器やドラムの軍楽に合わせて45分間にわたり行進します。公に披露する衛兵交代式は、1959年以来、毎年6月末から8月末頃まで、毎日午前に行われており、イギリス国外では特別な式典以外で観ることができるのはオタワだけです。
このようなセレモニーは、カナダとイギリス諸島との古い歴史と伝統と政治的、文化的、人的なつながりを示します。多文化社会であるカナダには、広大な国を定義する「これ」という一つの文化はありませんが、英国らしき伝統は、法律や行政制度から建築スタイルに至るまで、首都では日常的に身の回りに感じられます。
イギリス王室にまつわる数多くの華やかなセレモニーは、君主制に馴染みのない多くの移民や観光者にとって新鮮な体験となっており、カナダの「文化」の要素を知る面白いきっかけとなります。外国の王室に深い関心や憧れを持つ日本人にとっても、きっと楽しめると思います。