くらし 【特集】戦後80年を考える戦時下における丹波の記憶地域で支えあいの輪を広げよう

■戦後80年を考える 戦時下における丹波の記憶
第二次世界大戦が終戦し、今年で80年の節目を迎えます。多くの人々の命を奪った戦争の悲惨さを再認識し、平和の尊さを考えることは、後世を生きる私たちの大切な使命です。今回の特集では、戦時中の丹波の暮らしから戦争について振り返ります。

◇戦時中の丹波の暮らし
戦争中の国や地域において、戦場ではない場所のことを「銃後(じゅうご)」と呼びます。銃後の丹波地域は、県内でも沿岸の阪神地域とは異なり、アメリカ軍による直接的な被害はほとんどない地域でした。そのため、本土空襲が激しくなると、空襲による被害を避けるために、都市部から多くの人々が丹波に「疎開(そかい)(※(1))」してきました。

◇丹波から戦地へ向かった人たち
一方、徴兵令(ちょうへいれい)(※(2))が施行されて以後、丹波からも多くの人々が軍からの召集令状(しょうしゅうれいじょう)を受けて徴兵され、戦時下になると家族を残して海外へ出征しました。
出征先は、中国大陸の北から南、東南アジアのフィリピン、ビルマ(現ミャンマー)、ニューギニア島など様々で、日本とは異なる厳しい環境での従軍生活を強いられました。さらに、戦闘や病気で命を落としたり、出征先で行方不明になった人も数多くいました。

◇企画展で戦争を振り返る
戦後80年を振り返るにあたり、市では、春日歴史民俗資料館で、夏季企画展「戦後80年 銃後の丹波 兵士の戦場」を開催します。

※(1)疎開…災害や空襲に備えて、都会の人や物資・工場などを他の地に移すこと
※(2)徴兵令…明治6年に施行された、国民の兵役の義務を定めた法令

■春日歴史民俗資料館 令和7年度夏季企画展『戦後80年 銃後の丹波 兵士の戦場』
期間:7月26日(土)~8月31日(日)

春日歴史民俗資料館の夏季企画展「戦後80年銃後の丹波兵士の戦場」では、銃後の丹波を生きた人々について、学校や疎開先での生活、金属の供出(きょうしゅつ)、残された出征兵士の家族など、様々な観点から見つめます。また、従軍・出征した人々のご遺族のご協力のもと、従軍関係資料を数多く出展します。「戦時中の丹波で暮らした人々」と「丹波から出征した兵士たち」の2つの視点から、兵士たちが見たのはどのような戦場だったのか、また、残された銃後の人々がどのような生活を送っていたのか、写真や実物の資料を通して読み解きます。

●関連イベント
※受講料無料・申込不要

◇細見綾子生家資料調査報告 手紙からみる戦争
日時:7月27日(日)午後1時30分~3時
会場:青垣住民センター大会議室
講師:井上 舞(神戸大学大学院人文学研究科特命講師)
定員:50人程度

◇担当学芸員による ギャラリートーク
日時:8月2日(土)午後2時~2時50分
会場:春日歴史民俗資料館
※入館料が別途必要
講師:担当学芸員
定員:10人程度

◇丹波の銃後と生活
日時:8月23日(土)午後1時30分~3時
会場:春日住民センター大会議室
講師:担当学芸員
定員:50人程度

会場:春日歴史民俗資料館(春日住民センター南側)
入館料:一般210円、中学生100円、小学生50円
開館時間:午前9時~午後5時
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)

問合せ:社会教育・文化財課
【電話】70-0819