くらし 令和7年 新年のごあいさつ

■“住みたい・住み続けたいと思われるまち”を目指して
あけましておめでとうございます。市民の皆さまには、健やかに輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、元日早々に、日本列島を震撼させる令和6年能登半島地震が発生しました。さらに9月、復旧の歩みままならぬ被災地を奥能登豪雨が襲い、記録的な被害をもたらしました。重ねての被害に見舞われた皆さまの安寧と、一日も早い被災地の復旧・復興を衷心からお祈り申し上げます。こうした天災地変は「忘れた頃」ではなく、「忘れぬうち」にやってくるものです。有事への備えは地域や関係機関と密に連携し、平時からの警戒を怠ることなく、万全を尽くしてまいります。
さて、今年は市制施行から20周年を迎えます。この記念すべき年が皆さまにとって有意義な年になりますよう御祈念いたしますとともに、今日まで市政運営に御理解と御協力を賜った皆さまに対して深甚なる敬意を表し、心から感謝申し上げます。
この20年の変遷の中で、身の回りのさまざまなことが大きく変容してまいりました。気候や世界的な経済情勢の変動、科学技術の飛躍的進展、人口動態の変化は、これまでの地域社会や家族の在り様、ひいては人の生き方そのものを変えようとしています。
時代の転換期ともいうべき正にこの時、自治体は、こうした潮流に即応した適時適切な行政サービスの提供が急務となっています。
私は、就任以来「市民の皆さまの幸せと暮らしを守る」という視点を揺るがすことなく市政を運営してまいりました。そして、政策の推進に当たっては、皆さまの声に真摯に耳を傾けるとともに、市民ニーズの変化には、柔軟性を持って対応することを心掛けてまいりました。例えば、昨年本格運行を開始したドアtoドアの運送サービス「デマンド型乗合交通」は、買い物や通院など多様な利用者ニーズに応えるとともに、旅客運送業界の環境変化を加味し、市が主体となって運行することを決めました。子育て支援施策では、現役で子育て中のお母さんの声を聴き、安心して妊娠・出産・子育てができる環境整備として、家庭での子育てから地域全体で子どもを育てる「ファミリー・サポート事業」を導入いたしました。そのほか、科学的根拠に基づく高齢者などのフレイル予防事業の実施など、変化に富んだニーズに対応するため挑戦してまいりました。
そして、この挑戦には、ある一つの目標を持たせ、施策を実施してまいりました。それは市内外の多くの皆さまに「朝来市に住む」ことに関心を持っていただくことであり、「住みたい・住み続けたい」と思われるまちを実現することに他なりません。
令和7年度は、第3次総合計画前期計画の終期を迎えます。その総決算・集大成として施策の実践と将来につながりを持たせた施策の構築を図ってまいりたいと考えています。
今年は巳年です。蛇が復活と再生のため脱皮をするがごとく旧套(きゅうとう)を脱し、目標に向けて柔軟かつ斬新な視点を持って市政運営に努めてまいります。
結びに当たり、本年が皆さまにとりまして幸多き年になりますよう祈念申し上げ、新年のあいさつとさせていただきます。
朝来市長 藤岡 勇