- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県多可町
- 広報紙名 : 広報たか 2025年4月号
■「今一度、バリアフリー」
バリアフリーという言葉が使われるようになって久しくなり、この言葉を聞くと誰もが建物の入口にあるスロープ、車いすで利用できる公共トイレなどがとっさに思い浮かぶようになってきました。それほど街中の至る所でバリアフリーが進んでいます。
バリアフリーという言葉は、もともとは建築用語として道路や建物の入口の段差など物理的なバリア(障壁)の除去という意味で使われてきましたが、現在では障がいのある人や高齢者だけでなく年齢、性別、国籍などあらゆる人の社会参加を困難にしているあらゆる面でのバリアの除去という意味で使われています。
社会に存在するバリアを大きく分けると、建物や道路の段差などの物理的なバリア。音声のみのアナウンスなど情報の伝え方が不十分なために、必要な情報が平等に得られない情報面のバリア。学校入試、就職や資格試験などで能力以前の段階で制限が加えられる制度的なバリア。そして、無意識の思い込みや偏見によるこころ(意識)のバリアです。
この4つのバリアのうち、目に見える3つのバリアは目を見張る勢いで改善されています。例えば高速道路のサービスエリアでは男性用個室トイレを広げてベビーチェアを設置するなど、多目的トイレの機能を分散させる取り組みが進んでいます。情報面では、多言語による案内表示や図記号(ピクトグラム)による案内、音声案内との併用なども増えています。制度的なバリアでも、点字による試験や個室での受験など個に応じた対応や外国籍の人たちにさまざまな分野で門戸を開くような制度改革が進んでいます。
このように年を追うごとに社会の中に存在するバリアは確実に低くなっているように思います。しかし、設備を整備したり制度を改善したりするだけでは本当の意味のバリアフリーを実現することはできません。今一度、知らず知らずのうちに自分が作っているこころ(意識)のバリアを振り返る営みが鍵を握っているように思います。
問合先:人権啓発推進室
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