くらし キラリ☆輝く 多可人- Vol.234-

■ふらっと立ち寄り話をする 第3の居場所になりたい
不登校や行きしぶりの悩みに寄り添う
渡邉由香さん
(3rd place296運営・社会福祉士 不登校訪問支援カウンセラー・認定心理士)
「人の話を聞くのが好きで。何時間聞いていても大丈夫な自信があります。」
そう言って笑顔を見せる渡邉由香さん。
由香さんは、障がい福祉施設を夫婦で運営する中で、障がいを持つ人たちに、何を言ってあげたら良いのか、何が正しいのかわからないという悩みにぶつかり、社会福祉士の資格を取得しました。さらにもともと興味があった心理学をしっかり学びたいと、通信制大学に通い、昨年3月に認定心理士の資格を取得しました。
「いろいろな人と出会って、対話を重ねる中で、悩んだり行き詰まっている人たちの第3の居場所を作りたくて「3rdplace296」を立ち上げました。」
現在は、あすみるを拠点に3カ所で定期的に相談所を開設し、不登校や学校に行きづらい子どもたちや家族が気軽に立ち寄れる居場所作りに取り組んでいます。
「愚痴って悪口のように思えて後ろめたく感じる人もいると思うんですけど、溜めすぎるとしんどくなる。でも出すところを考えないと、自分に返ってきたりする。どこに出せば良いのかわからない、となったとき、ここに来て吐き出してくれたらいい。子育てのこと、人間関係のこと、どんなことでも話すことで気持ちが楽になる場所でありたいです。」
相手の話に小さくうなずきながら、最後まで耳を傾ける由香さん。時間がゆっくりと流れているような居心地の良さがそこにあります。
「子育てに悩みすぎているお母さんお父さん、おじいちゃんおばあちゃんはたくさんいると思います。自分自身もたくさんの壁にぶち当たったからこそ、子育てってもっとシンプルでいいんだよ、と伝えたい。これから夏休みに入って、9月の新学期前に学校が億劫になる子どもたちもいます。そんなときに、ふらっと立ち寄ってほしい。最近は、高校生も遊びに来てくれたり、とっても嬉しいです。」
そう、ここから表紙の話に繋がるのです。