くらし ふれあい

■「8月といえば」
8月は和風月名で「葉月(はづき)」と呼ばれます。「葉月」の由来としては、紅葉した葉が落ちる「葉落ち月」から来たとする説が有名です。他にも、稲の穂が張る月を意味する「穂張り月(ほはりづき)」などの説もあります。
では、「8月」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは何でしょうか。やはり「お盆」や「夏休み」をイメージする人が多いようです。
そこで今回は、「お盆」や「盆踊り」についてのお話を少し紹介します。ご存じのように、お盆は先祖や亡くなった人たちが苦しむことなく、成仏してくれるようにと、私たち子孫が、報恩の供養をする時です。
ではなぜこの時期なのでしょうか。元来日本では祖霊信仰があり、ご先祖様をお迎えする行事は、仏教が伝来する前から年2回夏と冬に行われていたようです。そこに仏教の教えで、お釈迦様の「夏の修行が終わった旧暦7月15日に僧侶を招き、多くの供物を捧げて供養すれば、餓鬼道に落ち逆さ吊りにされて苦しんでいる人たちを救うことができる」との言葉から、江戸時代には庶民の間にも棚経が定着したということです。お正月もご先祖様をお迎えする行事ではありますが、こちらは神事としての意味合いが強くなりました。
8月1日のことを「釜蓋朔日(かまぶたついたち)」と言います。「釜蓋」とは地獄の釜の蓋のことで、お盆の入りの8月1日はあの世で釜の蓋が開く日、つまりご先祖様たちの霊がいっせいに外へ出てくる日なのです。そしてキュウリに割り箸をさした早馬で帰ってきたご先祖様たちに楽しく過ごしてもらうイベントが盆踊りです。農耕儀礼としてより多くの農作物ができるようにとの意味合いもありますが、餓鬼道で逆さ吊りにされていた霊たちがその飢えや苦しみから解放され、両手をあげて踊り、喜んでいる様子を表しているとも言われます。そして最後はナスの牛に乗ってゆっくり帰っていかれます。
いずれにしろ、普段なかなかお墓参りにいけない人も、ご先祖様に思いをはせ、久しぶりに家族で顔を合わせ、語り合う良い機会としてはいかがですか。

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