くらし ふれあい

■「相手を想う聴く力とは」
私たちは、日々の職場や地域の中で「配慮」を心がけているつもりです。けれども、その「配慮」は、本当に相手のためになっているでしょうか。先日の人権研修では、そんなことを考える機会になりました。
研修の中で、「配慮したつもり」「わかっているつもり」が、かえって相手の人権を損なってしまうことがある、ということを学びました。例えば、障がいのある人に対して、こちらが「これは無理に違いない」と勝手に判断し、最初から機会を閉ざしてしまうこと。「○○さんはいいですよね、無理しないで」と、本人の気持ちや意思を確かめることなく、やる・やらないを決めつけてしまうこと。それらは、善意から出た言葉であっても、結果的には本人がそれを望まず、「排除」につながってしまう恐れがあります。
善意があるからこそ気づきにくいのですが、「相手のために」と良かれと思ってしたことでも、相手の立場に立っていなければ、それは自己満足になってしまいます。善意ある鈍感さといえるでしょう。そこにあるのは、「優しさ」ではなく、「押しつけ」かもしれません。
「わかっているつもり」を手放して、まずは相手の声にしっかり耳を傾けることから始めたいと思います。
配慮というのは、一方通行で届けるものではなく、やりとりの中から自然に生まれてくるものだと思います。「大丈夫?」「どんなふうにすればやりやすいかな?」、そんな何気ない一言が、相手の安心や信頼につながるのではないでしょうか。
人権を守るというのは、特別な行動を起こすことではなく、日々のちょっとした関わりの中にこそある。そんな当たり前のことに、改めて気づかされました。
今回の研修で「『傾聴』から『敬聴』へ」という言葉が印象に残りました。
相手を尊重する気持ちを持って、まずはじっくり耳を傾けてみたい。そんな姿勢を、これから少しずつ、実践していきたいと思います。

問合先:人権啓発推進室
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