- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県多可町
- 広報紙名 : 広報たか 2025年10月号
■「マイクロアグレッションとは」〜知らない間に相手を傷つけていませんか〜
今回は日常会話でよく起こるマイクロアグレッションについて紹介します。この聞き慣れない言葉を直訳すると、小さい単位を表すマイクロと他人への攻撃という意味のアグレッションを組み合わせた言葉で「些細な攻撃」を意味します。もう少し分かりやすく言い換えれば、他人を傷つける意図はないにもかかわらず思い込みや勝手な決めつけによって無意識に相手を傷つけたり、不快にさせたりする言動のことを指します。
マイクロアグレッションは日常会話の中の何気ない言葉で起こり、発した本人はもとより周囲も気づかないため、言葉を受けた本人だけが不愉快な思いをしたり、傷ついたりする分かりづらいものです。また、時には、相手を褒めるつもりで言った言葉が結果として相手を不愉快にさせることもあります。例えば、顔立ちが外国人に見える相手に「日本語お上手ですね」と言ったとします。しかし、そのような人の中には日本国籍の人や日本で生まれ長年日本で暮らしている人も大勢いるので言われた相手にとっては、いつまでたっても日本人と認めてもらえない。仲間として受け入れてもらえないなどの疎外感を抱くことがあります。
「日本語がお上手ですね」の褒め言葉の裏側には顔立ちでの決めつけ、外国人は日本語がうまく話せないのが当たり前などの自分勝手な思い込みが潜んでいるのです。マイクロアグレッションはその人の出自や性別、年齢、障がいの有無、国籍など自分で選択できたり変えたりできないものに対して起こる場合が多いのです。悪気がなければ問題ないと思われがちですがそれが繰り返されると大きなストレスになります。大切なのは受け取る側の感じ方なのです。
だからといって、言葉に対して過度に慎重になる必要はありません。大切なことは、誰の心の中にもマイクロアグレッションを生み出す思い込みがあることを自覚すること。そして、自覚と反省を繰り返しながらよりよい人間関係を築いていくことに尽きるのではないかと思います。
問合先:人権啓発推進室
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