くらし 議会だより 令和7年 第1回 山添村議会定例会の結果(7)

◆質問 野村信介 議員
▽分校の本校化に関して、分校の設置条例について
村長は、本年度末までに分校を本校化するか廃校にするか「結論」を出すと公に数回宣言したが、2月20日現在も方針は明らかにされていない。分校が「山添村立学校設置条例」によって設置されている限り、同校の方針は村議会専権事項である。議会での議論が重要であるが、どのように結論を導くつもりであるか。

▽オーガニックスクールやオーガニックビレッジ宣言について
この一年間、分校でオーガニックスクールが営まれた。この導入を推進した村長に敬意を表する。この一年間の問題点、今月予定されているオーガニックビレッジ宣言との関連性、今後の予定は。

▽教育委員会の使命
県教育委員会発行の冊子「令和8年度奈良県立高等学校入学者選抜の方向性」あるいは同名のホームページに、山添分校の紹介がいっさい見られない。毎年「奈良県立高等学校入学者選抜概要」に山添分校も掲載されてきたが、掲載されなくなった経緯は。分校に関心を持つ中学生や保護者を不安にさせ、8年度以降も分校が存続する場合、受験者数を減らすことに繋がるのではないか。

◆答弁 野村 村長
まず分校の本校化ついて、所信表明で「山添分校として令和8年度以降の入学者の募集は行わないと判断し、それゆえ、山添分校は、令和7年度の入学生が卒業する令和11年3月で閉校させていただく」と述べた。私が出した結論によって直ちに閉校になるのではない。そのことを踏まえ今後、設置条例の改正を提案並びに審議いただくことになる。
次にオーガニックについて、この1年間本校化を目標に特色ある高等学校を目指しカリキュラムにオーガニックスクールに係る活動を組み入れ生徒達は一般参加者と共に学習してきた。これをきっかけに、教育委員会、農林建設課のバックアップ体制のもと、特色ある学校に発展してもらえるよう期待をしていた。ただ、学校関係者等から現在の分校を更に発展させ、新しい高校を作るという気運が高まらず、目標に進んでいるという実感を持つことはできなかった。以前にも回答させていただいたが「魅力ある学校」すなわち「子ども達が行きたい学校、保護者が行かせたい学校、地域が支えてくれる学校」となれば、末永く存続できる高等学校になると考えていた。分校でのオーガニックの取組は生徒が在籍する限り続け、村としてもしっかりと支援していきたいと考えている。一方、オーガニックスクールを通じて学習に取り組んでいる生徒は一年前と比べ、行動に自主性や、次の展開を考えた感想を述べるなどの積極的な姿勢が増えてきた。実習を取り入れたスクールの中で、堆肥の学習や畑の変化など、自ら経験し考えることで成長につながったことは嬉しく思っている。今月には、オーガニックを推進していることを全国に宣言し発信していく。次年度は、受講型から自ら参加型のオーガニック講座で学ぶとともに、これまでの堆肥の学びから「落ち葉堆肥」を試作し、オリジナル堆肥作りの実証にかかわってもらいたいと考えている。

◆答弁 池住 教育長
次に教委員会の使命について、「令和8年度奈良県立高等学校入学者選抜の概要」に掲載されなかったのは、概要の製作時点で分校の本校化または閉校の判断がまだであったため掲載することはできなかった。

◆答弁 野村 村長
令和8年度の入学を希望されていた皆様方には大変申し訳なく思っている。今後学校法人化をはじめ、民間の力を活用しての学びの機関については、皆様とともに模索したい。

◆質問 大谷敏治 議員
▽文化財や伝統文化の支援について
1.伝統文化の継承について
(1).わが村の周辺自治体には特色ある獅子舞がある。近隣市村の獅子舞との交流や関係者同士の問題意識の共有は継承の手がかりや励みになると考える。そこで、発表や交流する場所を設けてみてはどうか。
(2).わが村の伝統文化は、大小を問わず後継者の継承の危機が迫っている。今後、伝統文化を守り伝える後継者の育成や継承に向けて支援が必要であると考えるが、これらの危機に対してどのように取り組まれるのか。
2.文化財の防火・防災について
近年さまざまなものの価格の高騰が続いており、防火・防災対策に二の足を踏んでいるのが現状である。そこで、山添村文化財保存事業費補助金交付要綱の補助対象及び補助額の見直しを検討する必要があると考えるがどうか。
3.スマートフォンの活用について
全国の博物館や美術館で、無料アプリ「ポケット学芸員」を導入している。導入することにより満足度の向上、説明のための人件費の削減、訪日外国人観光客の対応などに新しい形でわが村の文化財や伝統文化に親しんでもらえると考えるがどうか。

◆答弁 池住 教育長
まず伝統文化の継承について、文化協会の各団体また伝統文化子ども教室で継承活動を行っている。それぞれで実施していた発表会を合同でするなど工夫をしているが、次世代への継承に関しては非常に厳しい面がある。村としては、令和9年4月開校予定の義務教育学校設立を機会に総合科のふるさと学習の中で伝統芸能を継続して取り入れていければと考えている。また、現在各教室で指導している方々を講師に招き、実技だけでなく、その由来を教わり体験する学習をすることが郷土愛を育み継承に繋がると考えている。また、近隣市村や両定住自立圏との獅子舞等の伝統文化交流に関して、各団体とも協議しながら検討していきたい。
文化財の防火・防災について、当補助事業は文化財そのものに対して、所有者と村とお互い協力して保存と活用を図るため補助金を交付している。現在、補助制度を見直すことは考えていないが具体的に相談があれば検討する。
スマートフォンについて、歴史民俗資料館などで活用可能だが詳しく研究し検討する。