くらし 議会だより 令和7年 第1回 山添村議会定例会の結果(5)

■一般質問と答弁の要旨
質問と答弁を要約して掲載しています。

◆質問 藤田和子 議員
▽村の資源を活かした農業振興について
1.持続的な農林業を可能にするためには「稼ぐ」「稼げる」ことが最も重要である。作物を作るより買う方が安いのでは農地は荒れるばかりである。農家の収入を増やすことについてどのような計画があるのか。
2.農産物の地産地消を進めることは、生産者にも消費者にも有益なことである。村内の様々な有機廃棄物を堆肥化することも資源の地産地消につながる。地域循環型経済の育成を図るものとして、こうした取組を進めることについて、村長の考えは。

◆答弁 野村 村長
まず、農家の収入を増やすことについて特効薬はない。しかし、ご指摘のとおり村には食料確保には欠かせない農地資源がある。収入を得る基盤である農地の保全と、農作物を売る流れをつくるために、次の3つの施策に取組む。
第1は主要品目であるお茶や米、様々な野菜づくりの村民の主体的な取組に今後も支援を継続していく。農地保全継続事業では、これまでの取組に加え、農地や農道水路の補修、草刈り作業の委託など、村民の困りごとに対し補助を行う。また、国・県の施策ではある農村RMO事業には村内より複数の地域が手を挙げており、今後も国・県と連携して支援していく。
第2はオーガニック農業を広める取組を継続する。今年度オーガニックの取組を農業者や山添分校、関係者の協力を得ながら進めてきた。今月末にはオーガニックビレッジ宣言も行い、次年度以降もこの取組を継続し、収入を得るための栽培講座の実施や有機農産物の学校給食への活用、既存の花香房直売所をはじめ村内の拠点を活用したマルシェの開催、地域の野菜を集め販売する手法の再検討などを予定している。本村を囲む伊賀市や名張市、また天理市や宇陀市が既にオーガニックビレッジ宣言されており、その中心に所在する本村はその状況を活かさない手はなく、加盟する両方の定住自立圏でも連携した施策の検討を始めている。農産物の販路の確保など周辺自治体との連携により収入を得る仕組みづくりを行う。
第3は農地バンクを通じて来村する村外企業が持つ販路の連携にも活路を見出したい。温暖化などの環境の変化に伴い、大和高原に位置し冷涼な本村を目指す企業や農業者からの問い合わせが増加している。耕作放棄地は農地バンクを通じ案内し、村内に定着いただき、その方々の販路と上手く連携できるよう努める。
一方、林業は山林所有者の山離れが増加している。村としては山の手入れをまずやる必要がある。今後は所有者に森林の管理に関する意思を尋ねる意向調査を実施する予定であり、管理する意向のある山は間伐や混交林整備事業など、村が中心になって計画的に手入れをしていく方針である。
次に農産物の地産地消など地域循環型経済の育成を図ることについて、村内の道路際の落葉や生ごみなどを活用し、有機廃棄物の堆肥化を行う取組を計画しており、オーガニックビレッジ宣言に盛り込む予定である。次年度は、落葉を活用した有機堆肥の作成を山添分校で取組み、めえめえ牧場の羊糞や畜産業者の牛糞を活用したオリジナル堆肥の製作実証を行う。村民が活用できる堆肥づくりに着手する。また、その堆肥を使用して作られた野菜を学校給食や地域の食堂などで活用できるよう地域循環の流れをつくりたい。