- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県境港市
- 広報紙名 : 市報さかいみなと 令和7年10月号
「境港市史」上・下巻それぞれの目次をみると、第一編「自然と沿革」、第二編「産業と交通」、第三編「教育・文化と福祉」で構成されていることがわかります。上巻には第一編と第二編の四章まで、下巻には第二編の五章から第三編と資料・年表・索引などが収められており、上巻のおよそ660頁を第一編に割いていることが注目されます。
第一編のなかでも第一章「沿革」では、原始古代、中世、近世、近代・現代と、各時代に分かれています。ここで先に刊行されたダイジェスト版市史「境港 昔と今」の「沿革」をみると、時代ごとに分かれているのは近世まで。幕末、明治、大正、昭和については、それら時代の出来事を「社会」という項目に編んでいます。逆にこの「社会」に編まれていた「軍事」の項目は「境港市史」では第一編第一〇章になり、同じく「海外移住」は第二編に第七章として編まれています。また「考古」のように第一編第五章として新しく独立した章もあります。
時代を正確に項目としてたて、際立った項目を出来事として新たな項目としていく。これは、境港市全戸に配布された冊子「境港 昔と今」と、公的な歴史書である「境港市史」との違いを示すものでしょう。
どちらの書籍も市民図書館でご覧いただけます。ぜひ手に取っていただき、それぞれの制作の意図に触れていただければと思います。
参考:「境港市史」「境港 昔と今」など
(境港市史編さん室)