くらし 町長室からこんにちは ーシリーズ64ー

■高齢者の健康づくりを考える
今月は、「病気の9割は歩くだけで治る!」という本の紹介をします。
著者は、長尾和宏(ながおかずひろ)理学博士。先生は昭和33年生まれ香川県出身、東京医科歯科大学卒業後は大阪大学病院内科に勤務され、現在は長尾クリニックを開業されながら執筆活動もなされています。尼崎市でのクリニックでは高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の人、胃腸の具合の悪い人、うつ病や不眠症の人、認知症の人、がんの人、膝や腰が痛いという整形外科系の病気の人などの来院患者に、どんな病気であっても共通して話していることがあります。それは、「よく歩いていますか?」「よく歩いてくださいね。歩くだけでグングンよくなりますよ」とそう伝えている毎日だそうです。「治るは言い過ぎに当たるとすれば、歩けば確実に良くなる医者いらずになる。これは確信をもって言えます」と書かれています。
テレビ番組で健康に良いと紹介された食品を買い込んだり、ふくらはぎを揉むと血流が良くなると聞けば、その通りに一生懸命ふくらはぎを揉んでいたりするが、「で、歩いていますか?」と聞くと「いやー、時間がなくて」と、そんな人がたくさんだそうです。良いとわかっていながら歩かない人が多いのは、歩くことがどれほど大事かを知らないからでしょう。歩くことは健康に「良い」と分かっていても、「歩く」ことで、そこまで病気が良くなるとまでとは、皆さん信じていないのです。江戸時代の人は、今の私たちより6倍くらいの「3万歩」歩いていたそうです。よく「一日1万歩、歩きなさい」と言われます。奈義町の推奨目標ですが20歳から64歳は7,000歩、65歳から74歳は6,000歩、75歳以上は5,000歩と取り組みやすい目標としています。
長尾先生は、「歩けば歩くほど、生活習慣病は良くなります」と言われます。歩くことで骨が丈夫になる、認知症だって防げる、がんも歩くことが予防・治療になる、不眠症やうつ病も薬をもらわなくても歩けば良くなると書かれています。歩くと幸せホルモン(セロトニン)やノルアドレナリンが分泌されます。歩くことでいつもと違う新しい景色が見えます。美しい朝日や夕日を眺めたり、友だちと一緒に歩くのも人生を豊かにしてくれます。皆さんどんどん歩きましょう。