- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県江田島市
- 広報紙名 : 広報えたじま 第247号(令和7年5月号)
“つなぐ・つながる”をテーマに市内で活躍する人やお店をリレー形式で紹介!
■あきらめず、続けることで、人は変われるし、人の意識を変えることができる
広島県立大柿高等学校PTA顧問株式会社堀栄企画専務取締役 向井伸介(むかいしんすけ)さん
兵庫県西宮市出身の向井伸介さんは、ピアノの調律師として働きながら、仕事を通じて出会った奥様と結婚。その後、神戸で暮らしていたが、結婚前に発生した阪神・淡路大震災(1995年)の影響もあり、奥様の実家がある江田島市へ移住を決断した。
現在は、奥様の実家が経営する株式会社堀栄企画で働き、すでに約四半世紀が経過している。
向井さんの人生の大きな転機となったのが、大柿高校とのつながりだったという。
「移住して、こどもが大柿高校に入学するまでは、仕事で出会う方と接するくらいで、知り合いも限られていました。私が大柿高校のPTA会長に推薦され、大柿高校と深いつながりができたのが、振り返ると私の人生の中で転機でした。」
当時は、人見知りで、壇上に立つ際に緊張していたという向井さんは、自身がPTA会長にふさわしいとは思えなかったという。しかし、ちょうどその時、大柿高校は存続の危機に直面していた。
「高校の生徒3学年80人未満が2年間続くと統廃合の対象になってしまうということでした。私がPTA会長になって2年間は、その基準を下回り、存続が危ぶまれました。この島から、高校を無くしたくなく、もう1年頑張らせてほしいと各方面にお願いし、高校の情報を発信したり、各中学校の校長先生を訪問するなどの地道な活動を続けました。多くの方々に協力をいただき、PTA会長になり、3年目でなんとか危機を脱することができました。」
向井さんは、その活動を通じて地域の人々との関わりを深め、かけがえのない仲間ができたと当時を振り返りながら、穏やかな表情で話す。
「当時の大柿高校は前向きな評判を聞くことは少なく、厳しい言葉をかけられることもありました。あきらめず、地道な活動を続けることで、私自身も変われましたし、人々の意識も少しずつ変わっていくのを感じました。」
向井さんは、PTA会長を退いた後も、PTA顧問として活動を続け、今年度で通算10年目となった。朝には大柿高校前の交差点に立ち、旗を持って高校のPRと生徒の登校の見守りを8年間継続している。
「この活動は、息子が在籍していた当時の校長先生が始めた取り組みで、校長先生が大柿高校から異動することに伴い、終わらせたくなく、引き継ぎ、行っています。これからも、自分にできることを少しずつ続けていきます。」
大柿高校がきっかけとなり、地域と深く関わるようになり、自身を成長させた向井さん。その歩みは、地域と学校の未来を支える大きな力となっている。
企業情報:株式会社堀栄企画
住所:大柿町大原1086-3
【電話】0823-57-4477
開店時間:午前9時~午後7時30分