- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県下関市
- 広報紙名 : 市報しものせき 令和7年10月号
■全国的な社会問題 暮らしを支える水道施設のいま
私たちの暮らしに欠かせない水道水。この水道水を安定して供給するための浄水場や水道管の老朽化が、深刻な社会問題となっています。
下関市も例外ではありません。下関市の水道施設の「いま」を見てみましょう。
■長府浄水場建替進行中
期間:令和4~18年
工事費:248億円
目的:安定供給と耐震化
工事期間(年度):
・1期工事(R4~R11) 新浄水場の2/3を建設(既存施設を運転)
・2・3期工事(R11~R15) 新浄水場の1/3を建設(一部通水開始50,000平方メートル/日)
・4・5期工事(R5~R18) 管理棟の建設と撤去(全部通水開始88,000平方メートル/日)
長府浄水場は、下関市の浄水量の約8割を担う、とても重要な施設です。建設から79年が経過し、老朽化による施設能力の低下や、耐震性能の不足のため、更新工事を進めています。
新しい浄水場は、人口減少など未来の水の需要を計算して今よりも小さな規模で設計しました。
既存の土地の中で工事を行うため、新しい土地に建てるのに比べると時間がかかりますが、皆さんが毎日安心して水を使えるよう、着実に更新工事を進めています。
■water column 1 日ごろから訓練 TRAINING
▽技術継承や防災訓練
災害や施設事故が起こった場合でも、皆さんへの影響を最小限にとどめることができるよう、職員の技術力や対応力を向上するための内部研修を計画的に実施しています。
また、本市だけでは対応が困難な場合に備えて、他都市や水道事業関係者と協定を締結したり、合同防災訓練へ参加したりするなど、連携強化を図っています。
■水道管路点検結果
下関市内をくまなく結ぶ水道管をすべてつなげると、その長さは約1,800キロメートル。これは、下関から東京まで往復するのとほぼ同じ距離です。
水道管の法定耐用年数は40年。全体の4割以上が、すでに耐用年数を超えており、今後10年間で、さらに約3割が耐用年数を超えることになります。
漏水事故や断水を引き起こさないために、浄水場から配水場に送る送水管や、管径が400ミリメートルを超える大きな配水管、総合病院などに水を送る配水管など、生活への影響が大きいものから重点的に更新を行っています。
漏水事故を未然に防ぐため、管路の点検を行っています。令和6年度は、管路延長約870キロメートルを点検し、異常が見つかった20カ所を修繕しました。
▽4割以上が耐用年数を超えている
整備時期
2015~2023年 68.4km
2005~2014年 133.3km
1995~2004年 309.3km
1985~1994年 481.9km
1975~1984年 426.2km
1965~1974年 265.3km
~1964年 120.5km
・水道管点検の様子
「水が出ない」「水が濁っている」などの通報を受けて現地調査。音聴棒を使って、漏水箇所を特定します。
・水道管路課 津留崎さん
耐用年数を超えるとすぐに壊れるというわけではありません。
蛇口をひねれば水が出る、そんな“あたりまえ”を私たちが守ります。
■water column 2 水道水は安全 SAFETY
▽徹底した水質検査
安心して水道水を飲んでいただけるよう、水源から蛇口まで徹底した検査を行っています。水道水の基準項目はなんと51項目もあり、市販のミネラルウォーターよりも高い品質が求められています。
また、下関市は平成22年度に水道GLP認定(水道水質検査優良試験所規範)を取得。水質検査体制、検査技術が高い水準にあると、第三者機関から認められています。