くらし すまいる Smile~本郷を愛する仲間と共に継続できる地域を目指して

■Vol.188 深田利一(としかず)さん(本郷町在住)
昭和19年高知県生まれ。子育てを機に本郷町に移住。本郷町の農産物加工販売や農業振興など、地域の活性化に尽力している。
大切にしている言葉は「人生足別離」。

「大好きな本郷をとにかく元気にしたい」と話すのは、本郷町にある農産物加工販売の企業組合で代表理事を務める深田利一さんです。
故郷のように本郷を愛する深田さんですが、生まれ育った場所は高知県でした。「勤務先の大阪で出会った妻が本郷の出身でね。子供を育てるなら田舎でと思って、仕事を辞めて本郷に移り住むことにしたんよ」
移住後、子育てに励んでいた深田さんは、小学校のPTA活動にも熱心に取り組み、夫婦で地域と深く関わるようになっていきます。
「妻が生活改善グループの会長をしていた時に、無人市をやることになって。コンニャクや餅をグループで作って出したら、よく売れてね。それが加工販売所の前身になった」
当初はその活動を手伝う立場だった深田さんでしたが、今では中心的役割となり、強い使命感をもって事業を運営しています。
「加工品にはなるべく地元の農産物を使うようにしている。あんこ寿司は郷土料理で、本郷で製造しているのはここだけだと思う。伝統の味を守っていくためにも、本郷町のためにも、ここを無くしてはいけない」と深田さん。本郷を大切に思うメンバーと共に、販路を拡大したり、新商品の開発に取り組んだりしながら、利益を上げることで継続していく道を模索しています。
高齢化が進む町を元気づけたい深田さんは、「みんなが本郷を知るきっかけを作りたい。商品に貼るシールには、加工販売所の名称より目立つ大きさで『本郷』と入れている。並んだ商品を見た人が、本郷頑張っているねと思ってくれると嬉しい」と言います。
他にも、米作りに関する事業や移住応援団の活動など、本郷と密接に関わっている深田さんは、「どこも同じだけれど、人手が足りなくて、現状を維持することが難しくなってきている。移住も含めて、本郷に関心をもってもらえる方法を考え続けている」と熱く話してくれました。