くらし 【特集01】あなたのそばにもある空き家問題

空き家とは、長期間、人が住んでいない状態が続いている建物のことをいいます。
空き家は、所有している本人だけでなく、近隣にも大きな影響を与える存在となります。放置していると、植物の繁茂や建物の劣化により近隣住民に迷惑をかけたり、犯罪の温床になるといった危険性があります。
空き家の多くは、親から相続したときや転居のときに発生します。「そのうちどうにかしよう」と先送りにした結果、多額の修繕・解体費用の発生や退職などによる所有者の収入低下により対処が困難になるといった状況になります。
近年、その状況になった所有者からの相談は後を絶ちません。

◇長門市の空き家率

[住宅土地統計調査より]

■相談対応しています
市では、「長門市空家等対策計画」を策定し、各種事業により対策を実施するほか、空き家の所有者や空き家の近隣住民からの相談窓口を設置しています。

相談窓口:建築住宅課住宅班
【電話】23-1186

■家を相続される皆さんへ
令和6年4月1日から法律改正により相続登記の申請が義務化されました。
相続により不動産を取得した人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
相続が発生したときには、司法書士など、専門家に相談し、相続登記の手続きを行ってください。
相談は、相続前でも可能です。

◆空き家の相談内容
◇近隣住民から
・空き家の屋根瓦が落ちてきそうで、通行人に当たらないか心配
・このまま放置されるのは危険なので、所有者に対応を促してほしい

◇所有者から
・所有する空き家を解体したいので、補助金について教えてほしい
・空き家を手放したいが、売却や利活用の方法が分からない
・遠方に住んでおり、管理していくのが難しい

■今から始められる対策を
空き家の対処を早めに行うことで、将来的に近隣住民への迷惑や相続する親族への負担を防ぐことができます。

(1)売る(譲渡)
・不動産事業者や民間の仲介サービスに相談
・市の運営する空き家情報バンクに登録
・市と協定を結んでいる民間仲介サービスを利用
・自分で知人や友人に売る

(2)貸す(賃貸)
・不動産事業者や民間の仲介サービスに相談
・市の運営する空き家情報バンクに登録
・自分で知人や友人に貸す
※収入は得られますが、管理の手間や費用が必要

(3)解体
解体することで空き家問題を完全に解決できますが、多額の費用が必要になります。
「空き家解体シュミレーター」でおおよその解体費用が確認できます。

(4)維持管理(現状のまま)
売る・貸す・解体することに抵抗がある場合は維持管理を続けて家屋の劣化を防ぎます。
長門市シルバー人材センターでは、空き家の維持管理サービスの提供をしており、物件の目視確認や写真報告に加えて草刈り・清掃も委託可能です。

■相続問題について家族で話し合いましょう
空き家問題は、その多くが相続時に発生します。対応を先延ばしにすると、相続する際に親族間の話し合いが困難となり放置した結果、空き家問題は深刻化していきます。相続が発生する前に家族で話し合うことが重要です。

Q.誰と話し合えばいい?
A.まずは、家を所有する親または配偶者や子どもと話し合ってみましょう。

Q.何を話し合えばいい?
A.誰が住むのか、家をどのように処分をするのか、誰が管理するのかを話し合ってください。
特に、売る・貸すの場合は、家が使える状態のうちに行動を起こすことが重要です。解体の場合も、定年退職などにより収入が減ると費用の用意が困難になるのでご注意ください。
いずれも、早めの行動が大切です。

Q.所有する親と話し合いが難しい
A.親の気持ちに寄り添い話を聞く一方で、自分の思いや考えを伝えましょう。
すぐに答えが出せなくても、まずはどのように考えているかを確認することも重要です。

■空き家に関する補助金情報
◇危険空家等除却事業補助金(解体費用補助金)
補助金額:解体費用の50%(上限150万円)
主な条件:
・建物構造の腐朽および破損の程度が大きく危険な状態にある建物
・申請者世帯全員の前年所得金額の合計が500万円未満
・除却工事を長門市内に本店所在地を有する施工業者に発注すること
・市税などを滞納していないこと

◇空き家活用事業成約報奨金
交付金額:10万円
主な条件:
・空き家情報バンクを通じて成約したものであること
・一般社団法人山口県宅建協会萩支部に加盟する市内の宅建事業者を介した契約により成約したこと
・契約者同士が3親等以内の親族でないこと
・市税などを滞納していないこと

◇空き家リフォーム等助成事業補助金
補助金額:
改修工事…工事費用の20%(上限50万円)
家財処分…100%(上限10万円)
主な条件:
・空き家情報バンクを通じて成約したものであること
・申請時点で成約から1年を経過していないこと
・長門市に定住する意思があり、完了報告までに転入すること(改修工事)
・契約者同士が3親等以内の親族でないこと
・市税などを滞納していないこと

■空き家の専門家相談窓口