- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県内子町
- 広報紙名 : 広報uchiko 2025年8月号
■アートを介して地域を知り、絆を深める 小田地域で新プロジェクトが始動
今秋、小田地域で開催されるイベント「アートベンチャーエヒメフェス2025」(愛媛県・東京藝術大学主催)に向けて、最初の説明会となるキックオフミーティングが6月23日、小田自治センターで開かれました。
会ではイベントの概要や、愛媛大学教授の井口梓(あずさ)さんが制作するアート作品などの説明がありました。今回、井口さんはアーティストとして参加。13年にわたり小田地域の歴史や文化を調査してきた成果である模造紙を布に転写し、一枚一枚縫い合わせて歴史の重なりや人々のつながりを表現する作品を制作します。プロジェクトに賛同する有志により、歴史文化にちなんだ催しも実施予定です。
作品の展示や関連イベントは10月18日から11月3日の間、「お宿にのみや」を中心に旧小田中央商店街で行われます。
■コメリ災害対策センターと内子町が災害時の物資供給協定を締結
NPO法人コメリ災害対策センターと内子町が「災害時における物資供給に関する協定」を締結し、調印式が7月3日、町民会館で行われました。
同法人は、ホームセンター・コメリで取り扱う防災資機材を災害時に速やかに被災地へ届けるため、全国の自治体と協定を締結。新潟県中越地震や能登半島地震の際も被災地を支援しました。中四国地区ゾーンマネジャーの大﨑敏明(としあき)さんは「災害が起きないのが一番だが、万が一のときはこれまでの経験を生かし、迅速に供給したい」と語りました。
■全国植樹祭の象徴・木製地球儀が到着 巡回展示「ぐるっto(と)植樹祭えひめ」
8年春に開催される「第76回全国植樹祭えひめ2026」を前に、大会シンボルの木製地球儀の巡回展示が始まりました。内子町には7月4日に到着し、引き渡し式が役場本庁で行われました。この地球儀は森林・林業が地球環境に重要な役割を担うことを象徴して作られたもの。内子町では7月15日まで展示され、その後は約7カ月間で20市町を回ります。地球儀を受け取り、記念植樹を行った小野植正久町長は「大会まで内子町でもPRし、機運を高めていきたい」と話しました。
■豊かな音色がホールを包み込む 延べ900人が集った「スバル音楽祭」
吹奏楽の祭典「スバル音楽祭」が7月6日、文化交流センタースバルで開かれました。町内外の中学・高校吹奏楽部や、社会人楽団「ウインドアンサンブルカイツ」など13団体が出演。クラシックやマーチなど幅広いジャンルで、積み重ねた練習の成果を披露しました。7年度の全国大会に進出した伊予高校も特別出演し、オリジナル曲「野球拳ファンタジー」など5曲で会場を沸かせます。最後は出演全団体で「アルメニアン・ダンス1.」「アルセナール」を合奏。迫力ある音色をホールに響かせました。
■生き物にその地の特色を見る 場所の専門家・トコロジストになろう
「トコロジスト講座」が7月19日、小田深山渓谷で行われました。トコロジストとは、その場所に詳しい専門家のことです。今回は渓流植物の葉などを観察し、標本作りを実施。約1時間の散策で、山地に生えるイヌブナや絶滅危惧種のクマヤマグミなど、多様な植物が見られました。指導した愛媛植物研究会の橋越清一(きよかず)さんは「小田深山には約1200種の植物があるといわれ、希少種も多い。証拠標本を残すことは、自然環境を知るためにも価値あること」と話しました。
■今宵はただ、季節の移ろいを語らおう 高橋邸で味わう「止談風月の夜」
内子町出身で「日本のビール王」と呼ばれた髙橋龍太郎(りゅうたろう)の生誕150周年を記念したイベント「止談風月(しだんふうげつ)の夜」が7月19日、文化交流ヴィラ高橋邸などで開かれました。
この催しは龍太郎の生家・高橋邸に掲げる看板の「止談風月無用者可入」にちなんだもの。同家に寄贈された三輪田米山(べいざん)の書、琴の演奏、敷地内のウメを使った梅酒やビールなどを楽しみ、ゆったりとした時を過ごしました。またギャラリー創是(そうぜ)では同日、龍太郎にまつわる話会も実施。参加者は静かに耳を傾け、郷土の偉人の生涯に思いを馳せました。堂下まみ子(こ)さんは「大好きなビールの発展に尽くした人が内子にいたと知って驚き。隠れ家のような高橋邸の魅力を、皆さんもぜひ知ってほしい」と語りました。