- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県伊方町
- 広報紙名 : 広報いかた 2025年11月号
■「約4000年以上も眠り続ける「モノ」」
伊方町正野野坂には、「野坂遺跡」という貝塚があります。この貝塚は、昭和62(1987)年の消防団詰所の建設工事中に偶然発見されました。
この貝塚からは、貝類のほか、縄文土器、弥生土器、石器、人骨、動物の骨(ツキノワグマ・ノウサギ・ニホンザル…)など、約800点以上の遺物が発見されています。また、これらの遺物から、縄文後期~古墳時代の遺跡であると考えられています。しかし、遺跡発見時から現在に至るまで発掘調査が行われておらず、未だ謎に包まれています…。
そもそも「貝塚」とは、「人類が食料として採集した魚介類や動植物のうち、不要となった貝殻や骨などを集中的に廃棄した場所」のことです。現代で例えるならば、「集落のゴミ捨て場」と言えるでしょう。
そこで、一つの疑問が思い浮かびませんか?それは、
『貝殻以外も出土しているのに、なぜ「貝塚」と呼ばれているのだろう?』という疑問です。その答えは至ってシンプル…、
「出土する遺物の中で、貝殻が最も目立つから」
という理由なのだそうです。もっと複雑な理由なのかと思いきや、思ったよりも単純な理由に少し驚きです。
さて、話を「野坂遺跡」に戻しましょう。
貝塚が存在しているということは、集落(住居跡など)が形成されていた可能性が十分に考えられます。このことは、古くより野坂地区では人々の生活の営みがあったことを示しているのです。縄文時代後期から生活が営まれていたとすると、おおよそ4000年以上も縄文時代の「モノ」が土の中に眠り続けていることになります。「伊方町にも遺跡があるんだ!」とロマンのようなものを感じませんか…?
みなさんの身近にも、未知の遺跡があるかもしれません。もし、遺跡や土器のようなものを発見された場合には、速やかに伊方町教育委員会へご連絡ください。
