くらし 昭和20年8月11日 久留米は火の海に―戦後80年 共に考える戦争と平和―(1)
- 1/24
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県久留米市
- 広報紙名 : 広報くるめ 令和7年8月1日号
今年は終戦から80年。世界ではいまだに紛争や戦闘が繰り返され多くの命が犠牲になっています。
昭和20年8月11日、久留米でも空襲があり、市街地は焦土と化しました。当時の資料や悲惨な歴史を語り継ぐ人々の声を紹介し、平和について改めて考えます。
■市街地の7割が焼失
8月11日、10時16分。米軍の爆撃機53機が久留米の中心部に襲来。雨が降るようなザーッという音と共に、焼夷(しょう)い弾計159トンが本町交差点や金丸小学校などに次々に投下されました。着弾すると内部の油脂が燃えながら飛散。熱気で上昇気流も発生し、瞬く間に市街地が火の海になりました。
20分以上続いた空襲で市街地の7割が焼失。防空壕(ごう)内で焼死した人も多く、214人の尊い命が奪われ、重軽傷者は160人に上りました。家族や全財産を失い、行くあてもなく途方に暮れる多くの人々。その4日後、日本は終戦を迎えたのです。
■久留米空襲の様子を展示
六ツ門図書館展示コーナーでは、戦争が生活に深く入り込んだ当時の様子をさまざまな資料で紹介します。焼失した市街地の写真や、当時14歳の竹村逸彦さんが学校や空襲の様子を克明に記した「軍国少年日記」などを展示。市出身の軍医が戦地ビルマから妻へ送った手紙なども初公開します。
■【8.11久留米空襲を語りつなぐ】
日時:9月7日(日)まで。10時~18時。(水曜、8月28日(木)は休館)
入場無料
◎資料展の詳細はこちら
※QRコードは本紙P.2をご覧ください。
問い合わせ先:六ツ門図書館展示コーナー
【電話】0942-27-9281
【FAX】0942-27-7281
■戦争の悲惨さと平和を語り継ぐ
ピースフルくるめ推進協議会(以下、「ピースフルくるめ」)会長の楢原繁光さんと、久留米空襲を舞台にした演劇を制作している入部亜佳子さんに聞きました。
◇小頭町公園と戦争
楢原会長:ピースフルくるめは、平成元(1989)年に設立されました。現在は、市と市民活動団体11団体が一緒に、平和を啓発する取り組みを行っています。
入部さん:私は久留米市出身で、福島高校(八女市)在学中、久留米空襲経験者の話を基に演劇を披露しました。ぜひ続けてほしいという声が多く、13年後の令和5年に久留米シティプラザで再演。今年で2回目になります。
楢原会長:入部さんは戦争を語り継ぐ熱意にあふれていて、今年からピースフルくるめに加わってくれています。演劇を通して、戦争の悲惨さが若い世代にも伝わるきっかけになればと思います。
入部さん:この作品は、実際に空襲を受けた小頭町公園を題材にしていて、筑後地域の人たちが演じます。一人の女性が戦時中を回想する場面で始まり、公園で起きた惨状を表現します。久留米でも空襲があったんだということを知ってもらいたいです。
楢原会長:私の父は帰還兵で、戦後、広島からふるさとの久留米に戻って来ました。父から戦時中のことを聞く機会は多くなかったものの、幼い頃から戦争は身近なことでした。
入部さん:戦争経験者から実際の声が聞けなくなる中で、どう伝えていくか模索する日々です。平和への願いはもちろん、戦争に限らず、当たり前の幸せがなくなってしまう悲しさ、身近にいる人の大切さを伝えていきたいです。
問い合わせ先:総務課
【電話】0942-30-9052
【FAX】0942-30-9706
◇舞台「青色と灰色の境界線」
日時:
・8月13日(水)18時30分~
・14日(木)13時30分~、18時30分~
・15日(金)13時30分~
会場:シティプラザ久留米座
内容:久留米空襲をテーマにした演劇
チケット:全席指定(大人2,800円、小中高生1,000円)当日200円増し。石橋文化センター情報サテライト(シティプラザ2階)ほかで販売
問い合わせ先:青色と灰色の境界線製作委員会
【電話】070-9080-5497
【メール】[email protected]