くらし 〔防災特集 第4弾〕台風を知り、上手に備える

夏真っ盛り、梅雨が終わったかと思えば、今度は本格的な台風シーズンの訪れです。台風は、発生からその強さや進路を予測することができ、比較的備えやすい災害とも言えます。いたずらに怖がるのではなく、その特徴を知って、適切に備えましょう。

ブタさん:去年まで、天気予報で台風が来ると言われてから、慌てて養生テープと食料を買いに行っていました…
ハチさん:大丈夫、ブタさんは防災にうんと詳しくなったから、台風についても学んで、スキルアップしちゃおう!!

■台風のキホン
台風とは、熱帯の海上で発生する「熱帯低気圧」のうち、北大西洋や南シナ海に存在し、低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(秒)以上となったもの。
また、発生、日本への接近・上陸のいずれも、7月~10月がピークとなります。

▽大きさ
中心から800km以上のものを超大型(非常に大きい)、500km以上800km未満を大型(大きい)と表現し、日本地図に重ねてみると、左図のようになります。
※詳しくは本紙をご覧ください。

▽強さ
強さは下表のとおり、最大風速で区分されます。

ハチさん:気象情報では「大型で非常に強い台風が…」など、組み合わせて表現されます。

▽風の強さと吹き方
〔強い風(15~20m/s)〕
・風に向かって歩けない
・看板やトタン板がはがれ始める
〔非常に強い風(20~30m/s)〕
・何かに掴まらないと立っていられない
・車が通常の速度で運転できない
〔猛烈な風(30m/s~)〕
・走行中のトラックが横転する
・多くの樹木が倒れる(特に35m/s以上)

ブタさん:なるほど。これからは天気予報を見るときも、どんな状況が予測されているか注目しようっと!
ハチさん:細かい値は覚えなくて大丈夫!
気象情報の言葉の意味を、その都度確認しよう!!

■知っておきたい、台風のあれこれ
▽予報円について
台風情報で見かける、左図のような進路予報。“だんだん巨大化するんだ…”と思った方がいるかもしれません。
しかし実はこの円が表しているのは、台風の中心が通ると予測される範囲です。
中心が円の真ん中を通るか、端の方を通るか、その確率は同じです。
※詳しくは本紙をご覧ください。

ハチさん:だから直前では予報が正確に、円が小さくなっているんだね。

▽特に風が強く吹く範囲
台風は、その右(東)側で特に勢力が強いと言われています。左側が安全という訳ではありませんが、右側を通るルートの場合、特に警戒しましょう。
※詳しくは本紙をご覧ください。

▽台風の速さ
台風の速度は、○○km/h(時速)で表されます。ニュースなどで、“自転車程の速度で…”と聞いたことのある方もいるかもしれません。
気象庁から、実況と5日先までの予報が出ますが、台風が近付くまでには充分時間がある場合が多いため、落ち着いて行動してください。
「台風が来るどうしよぉ~」
「九州に上陸するのは3日後の予報だよ、落ち着いて!!」

■早めの備えと、接近・通過時の行動
備えや対策の中には、どの災害にも共通して重要な事項もありますが、ここでは特に台風時に気を付けたいことを考えてみましょう。

▽接近前までに
・ガスボンベの固定
・植木鉢など、転倒や落下の危険があるものは、低い位置や室内へ移動
・不安定な屋根瓦やアンテナの補強
・雨どいや側溝の詰まりを取り除いておく
・窓に飛散防止フィルムを貼る 等々

▽台風が来てから
窓、雨戸に加え、ブラインドやカーテンを閉め…とにかく外に出ないこと
屋外作業や水路、田畑の見回りは、事故や怪我につながります!!!

ブタさん:台風のこと、こんなにしっかり考えたのは初めてだ!
早速家の周りに危ないものがないか、チェックするぞ★
ハチさん:その調子!さて次回特集は、12月号の予定だよ。
みんな、それまで安全に、楽しく過ごしてね~!!!