くらし なぜなぜ人権ーかけがえのない命が輝くまちづくりをめざして–

■外国人と共に地域で生活するために
八女市に住んでいる外国人は、令和7(2025)年7月末現在、1023人です。朝夕の通勤時間帯や、スーパーなどでもその姿を見かけることが多くなってきました。日本の多くの地域で少子高齢化が進み、農業や建設業、介護や福祉の分野では、外国人の人材が不可欠となりつつあります。八女市も例外ではありません。しかし、言葉や文化などが異なる人たちと日本人が地域で一緒に生活するなかで、さまざまなトラブルが生じているのも事実です。そこで今回は、八女市および近隣に住んでいる外国の人に直接お話を伺いました。当事者から話を聞くことでお互いの理解が進み、そのことが、私たちの住みよいまちづくりにつながると考えるからです。

▽外国人が今、困っていることや願いは
市では平成20(2008)年からボランティア団体によって、外国人に対する日本語の学習と交流活動を行う教室が毎週開かれています。この教室に参加しているインドネシア、スリランカ、フィリピン出身の方々に、次の質問をしました。

Q.日本で生活するなかで、困っていることは何ですか。
A.いろいろなお知らせ(例:ごみ出し)などの日本語の表現がよく分かりません。

写真は、各行政区等に設置されている資源・不燃ごみ置き場です。搬入口には、環境を保全し資源を有効に活用するために、ごみの分別の仕方を詳しく説明したボードが掲示してあります。
外国人の行動に対する不満としてよく聞かれるのが、例えば「ごみ出しのルールを守らない」などです。しかし、彼らも日本語が理解できず、どうごみを捨てていいのかよく分からないのです。一方的に外国人はダメだと決めつけるのではなく、ルールを理解してもらうためにさまざまな工夫をすることが大切だと考えます。
その一例として、公的機関のお知らせの表現を簡潔に分かりやすくすることがあります。このことは、情報を正確に受け取ることができる市民の権利を保障することにつながります。

Q.地域や行政にお願いしたいことは何ですか。
A.病院や市役所に英語の案内を増やしてほしい。特に、災害の時の避難所は言葉がよく分からないので不安です。

外国人にとって大きな課題は言葉です。特に災害時の避難所などでは、コミュニケーションをとることが一段と難しくなります。そこで、写真のようなピクトグラム(案内用絵文字)と分かりやすい日本語、英語を組み合わせたものを用意すれば不安は軽減されます。日本人も同様です。

※写真は本紙8ページをご覧ください。

このように外国人の人権を守ることは、共に地域で生活する私たちの暮らしを守ることでもあるのです。

◆人権セミナー八女2025
【演題】「笑って元気!~高齢者の人権と地域のきずな~」
日時:10月21日(火)18時30分~20時
講師:矢野(やの)大和(たいわ)さん(口演家)
場所:黒木支所大会議室
詳細はチラシや市ホームページをご参照ください。

問い合わせ:人権・同和政策・男女共同参画推進課
【電話】23-1490