- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県太宰府市
- 広報紙名 : 広報だざいふ 令和7年8月1日号
本市では昨年度、気温35℃以上となる猛暑日が年間で連続40日通算62日となり、日本一の猛暑のまちとして全国ニュースでも取り上げられました。
たしかに、ここ最近の夏の暑さは尋常ではなく、長時間、屋外にいることは命にもかかわります。
今回の特集では、この異常な暑さを含めた近年の気候変動と、この猛暑をどう乗りきるかについて紹介します。市内で環境に対する取り組みを進める皆さんにも話を聴きました。
■気温は上昇している?
▽全国・福岡県のトレンド
日本の年平均気温は過去100年で1.4℃上がっています。特に日本では1990年代以降に高温となる年が増えて、今後もさらに気温が上がることが懸念されています。
わたしたちが住む福岡の年平均気温は過去100年で2.5℃も上がっています。日本の平均と比べても高くなっていることがわかります。
以前は真夏でも当然のように屋外で遊ぶことができていましたが、ここ数年は危険な暑さにより不要不急の外出を控える呼びかけもあります。
出典:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)(気象庁作成)
▽身近な生き物にも影響
暑さの影響を受けているのはわたしたちヒトだけではありません。屋外に住む生き物たちは、わたしたち以上に敏感に気温の上昇を感じています。
例えば、もともと日本にいた暑さや乾燥に弱いカタツムリは数が減る一方で、暑さに強い外来種が増えています。また、もともとは沖縄などの南方に生息していた生き物たちの生息地域が北上し、太宰府でも見られるようになっています。
日ごろ意識しないと気づかない生き物の世界にも、実は大きな環境の変化が現れているのです。
▽本市の「猛暑のまち対策」
1.熱中症になる前に避難できるようクーリングシェルターを開設。市内公共施設17カ所と、新たに市内郵便局8カ所を指定。
2.子どもたちが快適な環境で運動できるように市立小中学校の体育館に空調を設置。
3.太陽光発電システムや電気自動車など環境に配慮した設備の導入に地球温暖化対策推進補助金を交付。
4.本年度新たに65歳以上のみの高齢者世帯を対象に統一省エネラベル2つ星以上のエアコンの設置にかかる費用への補助金(対象経費の半額で上限3万円)を交付。
▽福岡県地球温暖化防止活動推進員
岩熊(いわくま)志保(しほ)さん
[Profile]
一般社団法人まほろば自然学校代表理事ビオトープなど生物多様性の保全活動や県内の学校などで子どもたちに環境教育を行う。
令和4年度から福岡県地球温暖化防止活動推進員として活動。