くらし 芦屋町の農業継承者 ~担い手~

農業の「担い手不足」や「高齢化」そして「耕作放棄地の増加」が全国的に問題になっています。
芦屋町でも農業者が減っているため、機械の導入による農作業の省力化や農地の集約化など、効率的で安定的な農業経営を目指す必要があります。
町としても、農業者ごとの利用する農地面積を拡大できるよう、省力化や集約化に取り組んでいます。
今回は、農作業の省力化のため自動アシスト付き田植機を導入し、農業経営を行っている安あたかひさのり髙寿倫さんに焦点をあてて発信します。

■安髙さんはなにをつくっているの?
実家が祖父の代から観光ぶどう園をしていて、農家を営んでいる父の後継者としてぶどうや米を作っています。50年ほど前から家族で紅瑞宝(べにずいほう)の栽培を始めています。淡い紅色で香りが高く、高糖度であり、ぶどう園の主力の商品です。

■ぶどうができるまで
ぶどうの一粒一粒に小さな白い花が咲き、開花の時点で花が1000個くらい咲くので、それを切っていく花摘みをします。
粒が大きく成長するように、房の形を考えながら、粒の小さいものや状態の悪い果実の一部を取り除き、30~40粒のぶどうになるように形を整えながら切っていきます。これらの作業により、さらに甘いぶどうに仕上がります。
粒が大きくなってきたら、害虫や鳥の被害を防ぐため、全てのぶどうに袋掛けを行い、収穫期を迎えます。
毎年収穫が終わると土づくり、冬の間に枝の剪定など1年中作業があります。
ぶどう園では、「紅瑞宝」のほか、「シャインマスカット」「藤稔(ふじみのり)」など9品種のぶどうを作っています。

■ひとつひとつ手作業で
高糖度できれいな形にするために、一房ずつ手作業で摘果するなど、一つ一つの作業に手間と時間をかけています。樹に栄養がありすぎても、なさすぎても上手く実がつかないため、バランスをとるのが難しいです。
ぶどうは雨に弱く病気にかかりやすいため、雨よけのビニールを貼ってトンネルを作り、雨に当たらないようにしています。収穫間際に、天候(大雨)、病気、虫などの影響でダメージがあると、出荷・販売できなくなります。近年大雨などが増えてきており、収穫量が減るなど、栽培が難しくなってきています。

◇「紅瑞宝」
皮が薄く、水分を含むと皮が裂けたり、割れたりするため、雨に当たらないように特に気をつけています。

◇「シャインマスカット」
種がなく、簡単に房から外れてしまうため、粒同士が少しずつ触れ合うように、隙間を開けないように摘果作業を行っています。

「紅瑞宝」の認知拡大も含めて、Instagramで発信を行っています。
これからも「おいしい」と言ってもらえるように頑張っていきたいです。

ぶどうは品種が多く、品種ごとに味わいや食感がかわるから、いろいろな品種を食べてみてっちゃ!

■芦屋町の野菜はどこで買えるの?
芦屋町には「赤しそ」や「田屋ねぎ」などブランド化された野菜があります。そのほかにも、米やキャベツ、ほうれん草など安全安心な美味しい野菜が生産されていて、芦屋町の学校給食にも使われています。地産地消により、地域で獲れた野菜が地域内でそのまま出回るため、より新鮮で栄養価の高いものを食べることができます。地元で作られた野菜や果物は次の店舗で販売されています。

■担い手たちによる活動ーYouTubeチャンネルー
JA北九遠賀・中間支部青年部でYouTubeチャンネルを開設して、農業の周知・イメージアップに取り組んでいます。普段は当たり前のように食べている米や野菜も、農家の皆さんが時間をかけて育ててくれているものだということに気付かされます。普段見ることのない農家の営みを見てみてください。