くらし 政治倫理審査会から審査の報告です

今年も資産等報告書の審査を行いました。政治倫理審査会は、築上町政治倫理条例によって報告することが義務付けられている提出義務者(町長、副町長、教育長、町議会議員)、そしてその配偶者と一定範囲の親族の資産内容を毎年審査しています。

1.資産等報告書の提出状況
今年の対象者は提出義務者17人、その配偶者12人、提出義務者の扶養親族6人、合わせて35人でした。全員から報告書の提出がありました。

2.審査の対象・方法
政治倫理審査会が審査するのは、審査対象者の1月1日現在の資産、地位、肩書、前年1年間の収入、贈与、納税等の状況です。まず、形式的審査といいますが、資産等報告書の項目・内容と一緒に提出のあった証明書類の内容とが一致しているかどうかを確認します。内容が書かれていなかったり、書き間違いがあったり、書いてある内容がよく解らなかったり、証明書の内容と合わなかったりすると、訂正や修正、内容の説明を求めて照会を行い、照会に対する回答を見て、内容をさらに審査します。形式的審査と同時に、報告書提出義務者の資産にどのような動きがあるかの審査(実質的審査)を行い、過去3か年の資産報告を基礎資料として、昨年度から資産にどれくらいの動きがあったかを調べ、大きな変化があった資産について問題がないかを審査します。大きな増減があったときには、その理由を照会して、回答を求めているのです。

3.審査結果
今年度も提出義務者による資産等報告書の提出、当審査会からの照会への対応はおおむね円滑に行われて、審査は予定通り終了となりました。大きな問題点は見当たりませんでした。ただ、書かなければならない内容が書かれていなかったり、書いてあってもそれが誤っていたり、不正確であったり、書く箇所や内容が人によってまちまちで統一されていなかったりということもありました。必要な証明書類が提出されていなかったり、証明書類の内容が基準日に合っていなかったりする報告もありました。
今年特に気になったのは、審査に必要な証明書類の未提出が8件あり、しかも5件は、同じ種類の証明書類の未提出でした。そのため、審査会は「資産等報告書記載要領」を一部改訂し、その書類を提出すべき書類として明確に示すことにしました。守って欲しいことをしっかり記載している「資産等報告書記載要領」をよく読んで、来年は不備や不統一がないようにしていただきたいと思います。

4.保有する現金の自己申告
保有する現金の自己申告は、政治倫理審査会が7年前から、提出義務者が50万円以上の現金を保有または所持する場合について自己申告していただくようお願いしてきたことですが、自己申告はこれまで1件もありませんでした。また、3年前に築上町政治倫理条例の改正が行われて、条例の第5条第1項第1号(エ)に定める「動産」の内容は「自動車、農機具、船舶、航空機、美術工芸品および貴金属」に限り、保有する現金を含めないことにしましたから、保有する現金の申告は、条例上に根拠を求めることはできなくなりました。
こうした状況の中、昨年度、保有する現金で不動産を取得したという報告が1件ありました。保有する現金額の収支状況の申告がこれまでないのですから、記録されたこの現金(又は他の財産)を使って不動産が購入されたのだと誰が見てもわかる整合性のある説明はできません。そのため、報告義務者ご本人が、報告書への記入提出をもって整合的に説明したことにならなくなり、審査会がご本人のなされる整合的な説明へのお手伝いをすることもできない状況になってしまったのです。今年は幸いに、このような報告はありませんでした。
保有する現金の申告を求めるということは、平成30年12月から翌31年3月にかけて相次いで発覚した、あっせん収賄事件や官製談合事件のような不正な金銭のやり取りが二度とこの築上町で起こらないようにしたいからです。保有する現金の自己申告はそのための有用な手段だと思っています。
条文上に根拠がなくても、自己申告をすることも、それを求めることもできます。自己申告を求める町民のみなさんの声が大きくなれば、条例を改正して保有する現金の申告を義務づけることもできます。政治倫理の意識は、町をあげて醸成し高めていくべき問題です。ぜひご協力をお願いします。

5.資産等報告書閲覧のすすめ
資産等報告書の閲覧はこれまでほとんどないとのことです。町民のみなさんは、町長および議長から提出された後、5年の間、閲覧できます。閲覧して問題がなければ、提出義務者にも町民のみなさんにも安心と信頼が生まれます。どうか閲覧してみてください。
詳しくは、HPに掲載されている令和7年「資産等報告書」意見書をお読みください。

政治倫理審査会会長 小野憲昭

問合せ:総務課 行政係
【電話】(内線313)