健康 健康テラス

■大腸癌検診について
こが内科外科クリニック
古賀崇先生

日本では食事の欧米化に伴い大腸癌が増加しており、癌の中では最も罹患率が高くなっています。2019年には大腸癌と診断された方は約15万人、死亡された方は5万人を超え、男性では肺がんに次いで、女性はすべての癌の中で最も多い死亡者数となっております。
大腸癌は早期癌であれば95%以上完治を見込める疾患です。また進行癌であっても他の癌と比較すると、完治する可能性が高めの部類に入る癌です。ですから大腸癌健診により早期に癌を発見し適切な治療を行うことは、かなり重要な事と言えます。
検査方法は便を調べ出血の有無をみます。日本では2日法が一般的で、別の日に採取した検便2回分で検査を行います。2回中1回でも潜血が検出されれば、便潜血陽性と判定されます。2日法が採用されているのは1日だけでは、検出率が下がるためです。
2017年に日本対がん協会が約253万人を対象に行った統計では、便潜血が陽性だった人は約15万人(約6%)でした。この中で実際に精密検査を行うために病院を受診した人は約10.5万人(68.7%)で、精査の結果がんが発見された人は4,400人でした。つまり便潜血陽性で精査を受けた場合、約2.86%の人に大腸がんが見つかったということになります。また約19.3%の方に大腸ポリープが見つかっています。
大腸ポリープは良性ですが、大きく成長すると癌になる危険がありますので、早い段階で発見・切除を行っておくことが大切です。便潜血陽性の判定が出た場合には放置せず、大腸内視鏡検査を受けた方がよいでしょう。