くらし 命を守る知識と行動 〜防災への第一歩〜(2)

■津波対応
◇津波の到達時間
南海トラフ地震では、沖合30m地点に最速14分で到達すると想定されています。海岸からの距離によっては多少の時間の余裕はありますが、津波の速度は陸上で乗用車程度、秒速に直すと10m、つまり100mを10秒で走るオリンピックの短距離選手並みです。

◇津波の高さ
日南市では、沖合30m地点で最大14mの高さの津波が想定されています。津波は、上陸した瞬間から地形や建物などの影響で徐々に弱まっていきます。

◇避難に使える時間
南海トラフ地震では、3分程揺れが継続すると予想されています。津波の到達が最速14分と考えると、自宅からの脱出時間を2分とした場合、避難に使える時間はたったの9分しかなく、その間に非常用の物資を準備する時間はありません。普段から準備しておくことが大切です。

◇1日過ごせる準備を
高台への避難後「津波警報」の解除まではそこから降りて来られません。東日本大震災では、警報の解除まで24時間以上かかっています。少なくとも丸一日を避難場所で過ごせるように備えましょう。

◇避難は原則「徒歩」
車両の渋滞や事故による二次的な被害を避ける意味でも徒歩で避難しましょう。昨年8月の地震でも避難場所の高台に避難する車両が集中して渋滞が発生しました。もし、津波が発生していたら、後続の方々は津波にのまれていたかもしれません。

■風水害
日南市は、雨がよく降る地域です。過去にも台風や大雨による多くの浸水害が発生しています。

◇令和6年の大雨
令和6年8月に大雨を降らせた台風10号は、24時間雨量が400mmを超えていました。
また、10月の大雨では、多くの場所が浸水しました。下校時間など多くの人が移動する時間と重なり、大変な思いをされた方も多かったと思います。この時に発表されたのが「顕著な大雨に関する気象情報」で、線状降水帯の発生を知らせるものです。

◇大雨対策
長期に渡る河川整備により氾濫は起きにくくなっていますが、過去に類を見ないような気象事象が発生しているのも事実です。
洪水ハザードマップを確認し、気象庁の発表する「気象警報・注意報」や市が発表する「避難に関する情報」を参考に、早めの避難を心掛けましょう。

※日南市では、防災行政無線戸別受信機を無償貸与しています。
危機管理課までお問い合わせください

■共助
地震に限らず大規模な災害が発生した場合、市の職員も被災し医療機関も同様に被害を受け、すぐには公的支援が受けられない可能性があります。そんな時に頼りになるのは「隣近所」です。

◇安否確認
人命救助は、時間との勝負です。
「救助すべき人が居るのか?どこに?人数は?」地域内でこれらの情報を把握して、災害対策本部や救助機関に提供してください。

◇相互援助
停電や断水の中、各家庭だけで過ごすのは心細いものです。隣近所で足りない部分を支えあって「公的支援」が開始されるまでの数日を乗り切りましょう。

◇防犯
熊本地震では、窃盗の被害届が前年同時期の3倍だったとの資料もあります。犯罪は、窃盗だけではありません。地域の皆さんが日頃から良好につながって、犯罪を起こさせない地域や避難所のコミュニティーを作りましょう。また、避難所を運営する際は、女性が過ごしやすい環境作りを心掛けましょう。

■備蓄
ライフラインの停止や物流の停滞に備えた各家庭での備蓄は大切です。特別な非常食を備えるのではなく、日頃使っている食材を少しだけ余分にストックし、使った分を買い足す「ローリングストック」で、常に2〜3日分の食料がある状態を維持しましょう。お米や味噌・調味料はありますか?レトルト食品やカップ麺なども立派な備蓄品です。

災害は必ず来ます。それが明日なのか10年後なのかは誰にも分からない…であれば、できるだけ早く備えることが命を守り、少しでも被害を抑えることにつながります。
さあ、今日から始めましょう!あなたの防災対策を。

問い合わせ:危機管理課
【電話】31-1125