- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県三股町
- 広報紙名 : 広報みまた 2025年5月1日号
まちドラ!の準備は、毎年4月に行われる旗揚式に始まります。そして、旗揚式の終了後、1回目の稽古が行われます。
稽古といっても、始めから本格的な舞台稽古を行うわけではありません。一緒に作品を作り上げていく仲間たちを知るために、ゲーム形式のオリエンテーションなどを行います。
相手を知り、相手に自分のことを知ってもらう。町民出演者の多くは毎年出演している〝ベテラン〟ですが、初めて挑戦する人もコミュニケーションがとりやすくなるよう運営しています。
◆まずは、呼吸を合わせる
まちドラ!の稽古は、呼吸を合わせることから。腹式呼吸を意識した発声練習などを行いながら、およそ40分かけて、呼吸を整え、合わせていきます。
当然ながら出演者たちは異なる年齢、職業であるほか、稽古に来る前は、それぞれの自宅、学校や職場などで生活しています。
異なる環境で、それぞれの生活を送っている人たちが集まり、これから一緒に〝演劇〟という世界に入る―。そのためには、呼吸を合わせることも効果的です。
◆意見を出し合う「本読み」
5月になると、出演する作品ごとに分かれて稽古を行い、実際の台本を手に、チームで読み合わせる「本読み」を行います。
本読みでは、「ここは動きをつけた方がいいのではないか?」など、出演者同士、出演者と演出家の間で意見が交わされます。
何度も出演している人は、毎年異なる演出家のもとで出演しており経験豊富です。作者の意図をくみ取りながらより良い作品にするため、演出家やサポートスタッフと一緒に、意見を出し合って考えます。
◆町民出演者による舞台設営
本番一週間前。各小劇場の舞台設営が始まります。ここで重要なのは、舞台設営を行うのは専門業者ではないという点です。
舞台上の壁に布を張ったり、舞台の床面にカーペットを敷いたり、観客席の椅子を運搬したりと、設営の多くを、サポートスタッフ、町立文化会館の職員や出演者が行います。
舞台や舞台装置も鑑賞の対象となる「演劇」。出演者たちによって作り上げられる特設小劇場もまた、上演される作品にとって欠かすことのできない、重要な要素なのです。
◆演出家、「三股入り」
同じく本番一週間前。演出家が県内外から「三股入り」します。ヨムドラ!の演出を手掛けるのは、県内外の劇団などで、さまざまな経験を積んだプロフェッショナルの皆さん。出演者たちとコミュニケーションをとりながら、作品を仕上げていきます。本番が近くなるにつれ、稽古は熱を帯びてきます。前日には、衣装、照明や音響など、観客がいないという点以外、本番と同じ環境で「ゲネプロ」と呼ばれるリハーサルを行い、翌日の本番に向けて、せりふや動きに微修正を加えていきます。
■コラム
○かつて存在していた!?名物「まちドラ!やき」!
三股駅前で毎年12月に行われている「キャンドルナイトみまた」。このイベントを企画・運営している、町民有志の団体「えきにぎ」は、まちドラ!で、「まちCafe」の企画やミニイベントスペースの準備などを行っています。そんな「えきにぎ」が、平成24年に「お菓子のさどびら」さんに相談して製作された商品があります。その名も、「まちドラ!やき」。生クリームとあんこを使ったブッセのようなどら焼きで、来場者にとても好評だったとか。同店は、惜しまれながら令和元年に閉店しましたが、「まちドラ!やき」は、今もなお、まちドラ!ファンの思い出に残っています。
※特集内で使用しているドラ焼きの写真は「まちドラ!やき」ではありません。