くらし 竹鳩(だけく)橋の未来を考える(1)

〜橋ができる町が発展する〜
長年にわたり地域の暮らしを支えてきた竹鳩橋ですが、老朽化により安全性や利便性の面で課題が生じています。町では今、より安心で快適な生活環境を目指し、架け替えに向けた取組を進めています。竹鳩橋の現状と、これからの展望についてご紹介します。

■竹鳩橋架け替え事業のポイント
・南海トラフ地震等の大規模災害時には、避難や物資の供給に必要不可欠な橋
・多くの転落事故が発生し、尊い命が失われている危険な現状
・小中学生の通学路であり、多くの車が相互通行する交通の要所
・建設以来65年が経過し、将来的に崩壊の危険性がある
・事業の効果(費用便益比)は2.78と極めて高く、経済効果と災害対応効果がある
・総事業費約49億円に対し、防衛省補助として70%(約34億円)、特別交付税15%(約7億円)という財源があるため、町の財政的負担が大きく軽減される
・13年の工事期間で町が負担する約8億円(1年あたり平均約6,000万円)の財政費用は、他の重要な事業に影響を与えるものではない

▽竹鳩橋の現状
※詳細は本紙PDF版6ページをご覧ください。
竹鳩橋は、昭和34年に建設された小丸川の南北を繋ぐ橋で、小丸大橋と高城橋(木城町)との中間に位置しています。小丸川の水位が上昇したときは、橋が川の水面よりも低い位置となる潜水橋であることから、地域では「もぐり橋」という別称で呼ばれています。

■28年前に竹鳩橋等整備促進期成同盟会を結成、高鍋町発展の悲願
竹鳩橋は、高鍋町・木城町・川南町の3町を結ぶ社会経済・産業文化交流の重要な幹線であることから、平成9年2月に3町の町長、議会、公民館連絡協議会等が集まり、竹鳩橋等整備促進期成同盟会を設立し、国・県に整備要望を行ってきました。平成22年には竹鳩橋付近に東九州自動車道高鍋インターチェンジが開通し、交通需要に応じた改良が求められてきましたが、実現しないまま現在に至ります。

《なぜ橋を架け替える必要があるのか》
▽地域防災面での影響
竹鳩橋は建設から65年が経過し、老朽化が進んでいます。近年増加する大雨による小丸川の増水で、流出の危険性が高まっており、万一流されれば復旧は極めて困難です。最悪の場合、橋の再建ができない可能性もあります。
また、河川の水位が上昇した場合、竹鳩橋はその水位よりも下位に位置することになるため、河川の水の流れを妨げる障害物となってしまいます。

▽通行における危険性
竹鳩橋は有効幅員が約2.9メートルと狭く、車両がすれ違うことができないため、通行者同士のマナーに基づき相互通行をしているところですが、今後見込まれる高齢運転者の増加も相まって、このような形態での通行における事故発生のリスクが高まることが予想されます。
また、潜水橋という構造上、転落防止策はワイヤーロープを張る以外になく、過去には実際に転落事故も発生しています。竹鳩橋は児童・生徒の通学路としても利用されており、車両通行時には避難帯で待機して通行する必要があります。そのうえ、歩道がないため、歩行者は車道部分を通行せざるを得ず、歩道を備えた一般道路に比べ事故の危険性が高くなっています。現在は、小学生については地元住民のご厚意により登校に付き添っていただき、登校時の安全を確保しています。

▽安心・安全なまちづくりの推進と地域の活性化のために
竹鳩橋の付近には宮崎県東児湯消防組合がありますが、火災発生時には消防車などの大型車両が竹鳩橋を通行できないため、迂回を余儀なくされ、迅速な消火活動に支障をきたしています。橋の架け替えにより、この状況が改善されるほか、東九州自動車道高鍋インターチェンジから市街地へのアクセス向上や、物流環境の改善による地域産業の活性化などの効果も期待されています。