- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県指宿市
- 広報紙名 : 広報いぶすき 2025年10月号
■あまり認知されていない「秋バテ」について
夏バテという言葉は誰もが知っていると思います。夏の暑さに体がついていけず、体力が低下することによって起こります。でも、夏バテという言葉以外に、秋バテという言葉があるのをご存じでしょうか?
夏や冬に比べて秋は暑くも寒くもなく、過ごしやすい季節です。それなのになぜ秋バテが起こるのか?
実は秋バテの原因は自律神経の乱れにあります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、活動時とリラックス時でこれが切り替わります。この切り替えがうまくできなくなるのが自律神経の乱れです。
夏から秋にかけて変わる寒暖差の大きさで自律神経がうまく働かず、交感神経と副交感神経の切り替えが出来なくなります。ではどうすれば自律神経がうまく働くようになるのでしょうか?
一番分かりやすくて手っ取り早い方法としては「汗をかく」ことです。暑い時、汗が出るのは、身体の体温調節を行うために自律神経が作用し汗を出し、体を冷まそうとします。寒いときは皮膚の汗腺をキュッと閉め、体をブルブル細かに震わせ、身体を温めようとします。
これを人工的に出来るものの一つとして「サウナ」があります。最近は「サウナ」ブームもあり、さまざまなタイプのサウナが味わえるようになりました。よくテレビでもサウナで汗をかいた後に水風呂に入り、椅子に座りながら「ととのう~!」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。正しい方法で「サウナ」を利用することは自律神経を整える方法としては非常に有益なものと言えるでしょう。
ただ、基礎疾患があり、「サウナ」が危険視される方も多いと思います。そういう方は、軽めの運動で汗をかくことも非常に有益です。運動が苦手という方は、秋の景色を楽しみながらウォーキングをしてみるのも良いでしょう。また柔軟やヨガやピラティスなども十分な効果が期待できます。
まだまだ暑い日が続きますが、上手に自律神経を整えながら季節の変わり目を上手に乗り切っていきましょう。
今月のドクター:指宿医師会 肥後 高春(ひごたかはる)
問合せ:指宿医師会
【電話】34-2820