- 発行日 :
- 自治体名 : 総務省
- 広報紙名 : 現在・未来のくらしに役立つ情報誌 総務省 令和7年4月号
■マイナ救急の効果
令和6年度実証事業において各消防本部から報告のあった活用事例とともに、マイナ救急の効果についてご説明します。
●POINT 1 あなたの正確な医療情報を少ない負担で救急隊員に伝えることができます
救急現場において、救急隊員は傷病者に対し、お薬や病歴などの救急業務に必要な情報の聞き取りを行っています。しかし、病気やけがの症状に苦しみながら救急隊員の質問に答えるのは負担となりますし、本人や家族等がお薬や病歴などの情報を正確に把握していないケースも少なくありません。
マイナ救急では、マイナ保険証をカードリーダーで読み取ることで、傷病者が受診した病院や処方されたお薬等の正確な医療情報を救急隊員に伝えることができます。
◎苦しさのため傷病者の説明が不明確であった事例(60歳代男性)
傷病者は身体全体のだるさと息苦しさが収まらない症状があり、話にまとまりがなく、救急隊員が詳しい症状を聞くことができなかった。さらに、かかりつけ医療機関の記憶もあいまいで、具体的な病歴も本人は覚えていなかった。しかし、マイナ救急によって医療情報を閲覧し、薬剤情報から「慢性腎不全」であることと、かかりつけの医療機関が判明し、かかりつけ医療機関に搬送することができた。
●POINT 2 必要な応急処置を受けながら、あなたにとって適切な医療機関に搬送してもらえます
現場の救急隊員は、傷病者の状態を観察して応急処置を行ったり、いくつもある医療機関の中から傷病者を搬送する医療機関を探したりしています。
マイナ救急により、傷病者の医療情報を把握できれば、救急隊員がより適切な応急処置を行うことができます。また、傷病者の症状に応じた処置が可能な医療機関やかかりつけの医療機関に連絡を取り、受け入れの調整をすることができます。
◎外出先で意識障害を起こした事例(60歳代男性)
傷病者は意識がはっきりしておらず、会話ができない状態であった。なぜ意識障害を起こしているかわからない状況であったが、マイナ救急で医療情報を確認したところ、病歴に「糖尿病」があることが判明したため、救急隊がブドウ糖を投与したところ、搬送中に意識レベルが回復し、病院到着前に会話が可能な状態まで回復した。
●POINT 3 医療機関到着後、より早く治療を開始してもらえます
救急搬送された医療機関では、緊急手術が必要な場合など、一刻を争うような場面もあります。
マイナ救急で入手した傷病者の病歴やお薬などの医療情報を、救急隊が事前に医師や看護師等に伝えることで、医療機関側が検査や手術などの治療に向けて適切な受け入れ準備を行うことができます。医療機関が治療準備を進めることができれば、傷病者が到着後すぐに治療を受けることができる可能性が高まります。
◎意識がもうろうとし、意思疎通困難であった事例(70歳代男性)
傷病者は意識がもうろうとした状態であり、意思疎通が困難な状況だった。マイナ救急により確認できた薬剤情報から、消化管出血による貧血を疑い、緊急内視鏡及び緊急輸血可能な医療機関を選定し搬送することができた。搬送先の医師からも、「服薬情報を事前に得られたため、緊急オペなどの事前準備ができた」と感嘆された。