- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道札幌市
- 広報紙名 : 広報さっぽろ 2025年8月号
自然環境を守る活動に携わる方などへのインタビューを通して、未来の地球のために、私たちができる事を考えます。
■第3回 森林業漫画家 平田美紗子(ひらたみさこ)さん
札幌市出身(札幌南高校出身)。2004年に林野庁に入庁。群馬県や静岡県の林業の現場や、林野庁本庁での勤務を経て、現在は北海道森林管理局に勤務。国家公務員でありながら、自身で構成・作画を担当した「北の森漫画」などの作品を通じて森の大切さを伝えている。
▽自身の活動と、札幌の魅力
林野庁への入庁を機に、得意な絵を生かして、より多くの方に森の大切さや役割を知ってほしいと思い、森や木のありのままの姿を伝えるためのイラストや漫画を描き始めました。3年前からは、円山公園を散歩しながら、森や木、生き物を観察し、自然の変化を日々感じながらスケッチを続け、森と向き合っています。街中でも、円山や藻岩山にあるような豊かな森を身近で感じられる場所があるのは、大都市の中でも珍しく、札幌の大きな魅力だと思っています。
▽大切な資源を、次の世代につなぐ
森には、土砂災害を防いだり、きれいな水や空気を供給する働きがあります。そして私たちは、ティッシュや紙、家具など、生活のあらゆる場面で木から作られた物を使って暮らしていて、日々森の恩恵を受けています。一度使うと再生できない石油燃料と違い、木は切って、使って、植えて、また育てれば、再び使える資源となります。さらに、木は成長する時に二酸化炭素を取り込むので、森を循環させていくことは地球温暖化対策としても有効です。
戦後には森が荒廃し、日本は木材の多くを輸入に頼ってきました。当時の人々が懸命に植林し、育ててきた木々が、約70年という年月をかけてようやく私たちが使えるくらいまで大きく成長したのです。先人からの贈り物である木を大切に使うと同時に、私たちも森を育て、次の世代につないでいかなければなりません。
▽今後の活動の目標
皆さんにもっと森を身近に感じてもらい、木の魅力や森を次世代につなぐことの大切さを伝えるために、作品を発信し続けたいです。そして、「森の仲間」を増やしていきたいです。
▽市民の皆さんへのメッセージ
まずは、木が使われている身近な物を探してみたり、いつも通る道にある街路樹を眺めてみたり、近くの公園に出かけたりして、木や森に関心を持ってみてほしいです。そして、私たちは森と一緒に生きているんだということを少しでも感じてくれたらうれしいです。
■無料で読めます! 平田さんが描いた漫画
森林などの魅力を学べる「北の森漫画」、北海道の木に詳しくなれる「北海道の木のえほん」などが読めます。
問合せ:広報課
【電話】211-2036