くらし 《特集》食べ物が安全に 食卓へ届くまで(2)

【食の安全のために働く】
ここでは、中央卸売市場で働く卸売業者の方と市の職員に、食の安全を守る取り組みをお聞きしました。

■新鮮で安全な食品を仕入れて販売 卸売業者
●水産
マグロ担当 曲〆(カネシメ)髙橋水産(株) 野口(のぐち)さん
ホタテ担当 丸水札幌中央水産(株) 上嶋(かみしま)さん

▽出荷者と密に連携して仕入れる
野口:マグロの仕入れは、出荷者と連携して、産地に誤りは無いか、水揚げから時間がたっていない鮮度が高い物かを確認します。競りの前にも、赤身の色や脂の乗りなどを細かく検品しています。
上嶋:気温が上がる夏は、特に鮮度管理に注意を払います。出荷者と密に連携し、加工日時を聞き取るなどして新鮮な物を仕入れるほか、変色が無いかなど検品にも力を入れています。

▽温度管理や洗浄の徹底
野口:マグロ専門の売り場は、人の腰から下のマグロを置く空間が低温で保たれるように設定しています。また、高い殺菌・除菌効果を持つオゾン水で、手や長靴だけでなく魚体も洗い、衛生面に気を配っています。
上嶋:ホタテは鮮度が落ちやすい繊細な食品なので、温度管理が重要です。夏は氷が溶けやすいので、荷下ろしを素早く行ったり、氷を足して冷やしたり、常に鮮度維持を意識しています。

▽野口さんの一日
2時20分
・出社
2時30分
・市場に届いたマグロを卸売場に運搬
・魚体の洗浄・検品、仲卸業者が確認する
・見本を展示
6時
・競り開始
・終わり次第マグロを解体
7時
・事務所に戻り伝票作成、明日の入荷予定を確認
11時30分
・仕事終了!

●青果
レタスなどの洋菜類担当 札幌みらい中央青果(株) 山本(やまもと)さん

▽仕入れや検品をしっかり行う
山本:生産者や農協に、種まきや収穫をした日などの栽培履歴を確認し、新鮮な物を入荷しています。また、輸送中に段ボールに触れて傷が付くと、その部分から劣化が進むことがあります。競りの前には丁寧に検品し、傷が無いか確認しています。

▽温度管理の徹底で鮮度を維持
山本:やわらかく繊細なレタスは、温度が上がったり、逆に凍ったりするとすぐに傷んでしまいます。市場では、保管場所の温度を冷蔵庫並みに保つなど、徹底して管理しています。

▽山本さんの一日
4時50分
・出社
5時
・市場に届いたレタスを検品
・仲卸業者が確認する見本を展示
6時30分
・競り開始
7時30分
・事務所に戻り伝票作成
10時
・明日の入荷予定を確認
14時
・仕事終了!

■市場で働く食品Gメン!? 食品衛生監視員
櫻井(さくらい)職員
小坂(こさか)職員

▽安全な食品の流通のためにくまなく監視
櫻井:有毒魚が交ざっていないか、食品が適切な温度で陳列されているか、食品表示の誤りがないかなど、卸売場や仲卸店舗を毎日約1時間半かけて監視します。例えばフグは、種類によって毒のある部位が異なるため、名称に誤りがあれば、有毒魚ハンドブックで特徴を確認し、卸売業者に伝えます。市場で働く皆さんと協力し、安全な食品の流通に努めています。

▽検査でさらに詳しく調査
小坂:卸売場で採取した食品を検査し、食品添加物の基準が守られているか、食中毒の原因となる細菌に汚染されていないかなどを確認します。年間約700件の検査を行い、基準を超えた場合は回収などを指導します。

▽小坂職員の一日
4時30分
・出勤
4時45分
・卸売場、仲卸店舗の監視開始
6時15分
・監視終了。事務所で日報を作成
7時45分
・食品検査の準備
8時45分
・監視結果の報告
9時
・食品検査の開始
・他の日に行った検査の結果も確認
13時15分
・仕事終了!

■市場は見学できます
競りを行う様子を見れたり、展示室で市場の歴史などを学べます。
日時:休市日と12/3(水)~来年1/4(日)を除く5~16時。休市日は市場カレンダーでご確認を
申込:電話、ファクス(【FAX】611-3179)。個人は見学希望日の2日前まで、10人以上の団体は見学希望日の10日前までに、見学希望日、名前、人数、電話番号、当日の交通手段を記入し、中央卸売市場協会まで。

問合せ:中央卸売市場協会
【電話】611-3176

■ほかにもこんな取り組みが さっぽろ食の安全・安心推進協定
協定を結んだ食品関連の事業者は、食の安全・安心についての独自の決まり事を定めて取り組み、その状況を市が市民の皆さんに情報発信します。事業者の食の安全への思いを知ることができます。

問合せ:
〔中央卸売市場について〕中央卸売市場【電話】611-3111
〔食品衛生監視員について〕広域食品対策担当課【電話】641-0635
〔食中毒予防について〕食の安全推進課【電話】622-5170