くらし 《特集 1》今、私たちにできること。~ゼロカーボンシティの実現に向けて~(1)

■地球温暖化から地球沸騰化の時代へ
ここ数年、世界規模での気温上昇や異常気象が頻発しており、2023年7月には、国連事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と発言するほど、深刻な状況となっています。
地球規模の話は、なかなか身近に感じられない方もいるかもしれませんが、鷹栖町に住む私たちにとっても、その影響は大きくなっていると感じている方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、ゼロカーボンシティの実現に向けた、鷹栖町の現状や取り組みを紹介します。
私たちができることは、小さなことかもしれませんが、一人ひとりの意識と行動を変えなければいけない時代が来ています。地球の、そして鷹栖町の未来を守るために、今私たちにできることを考えてみませんか。

■今年の7月は全国的に記録的な暑さ
今年は特に、全国的な猛暑・酷暑のニュースを耳にする機会が多かったのではないでしょうか。
旭川地方気象台によれば、7月の平均気温は上川管内全23観測地点で、観測史上最高を記録しました。
また、環境省によると、このままでは2100年の札幌市の最高気温は40℃を超えると予想しています。まさに、地球沸騰化の時代と言えます。

■鷹栖町における二酸化炭素排出量は
環境省では、都道府県・市区町村の部門別二酸化炭素排出量の現況推計等を、わかりやすく可視化した資料として「自治体排出量カルテ」を公開・公表しています。
本資料の最新値である2022(令和4)年度では、鷹栖町の排出量はおよそ5万3千tとなっています。ほぼ10年前の2013(平成25)年度の排出量はおよそ5万9千tとなっており、6千t削減されていることが分かります。
町では、町内の街路灯・防犯灯のLED化を進め、現在はLED率100%です。また、公共施設のLED化も進めており、省エネルギー化による二酸化炭素の排出量削減に努めています。

出典)環境省ホームページ
※各数値の算出方法については、環境省ホームページからご覧いただくか、9月10日からパブリックコメントを行う「鷹栖町地球温暖化対策実行計画(案)」資料編でもご覧いただけます。

■ごみ減量やリサイクルも大事なことの一つです
人が減れば、排出されるごみも減るはず…。ですが、鷹栖町ではここ数年、人口がやや減少傾向にあるにも関わらず、ごみの排出量は増加している現状にあります。従来の3R『リデュース・リユース・リサイクル』に加え、ごみとなるものを断る・持ち込まないことを指す『リフューズ』の推進も図っています。
子どもの頃から、ごみや環境についての理解を深めてもらおうと、小学校4年生を対象に、ふるさと共育も行っています。
また、鷹栖町は以前からごみの分別に取り組んでおり、令和5年度のリサイクル率は44・2%と、全国平均の19・5%を大きく上回っています。
リサイクルが二酸化炭素排出量削減につながるか、疑問に思う方もいるかもしれません。PETボトルリサイクル推進協議会の調査では、PETボトルのリサイクルの場合、リサイクル無しに比べ、リサイクル有りのほうが、42%の二酸化炭素排出量削減効果があるとの結果を出しています。
鷹栖町はごみの分別が多くて大変だと思う方もいるかもしれませんが、環境保全に向けては先進的な取り組みなのです。